Apple OS X における XPC Services API を介して認証を回避し権限昇格されてしまう脆弱性 (rootpipe)(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.05.16(木)

Apple OS X における XPC Services API を介して認証を回避し権限昇格されてしまう脆弱性 (rootpipe)(Scan Tech Report)

Apple 社の OS である OS X を構成する一部の API を利用することにより、認証を回避し権限昇格されてしまう脆弱性が報告されています。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
1.概要
Apple 社の OS である OS X を構成する一部の API を利用することにより、認証を回避し権限昇格されてしまう脆弱性が報告されています。システム内に攻撃者が侵入した場合、権限昇格によりシステムの全権を掌握されてしまう可能性があります。


2.深刻度(CVSS)
7.2
https://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2015-1130&vector=(AV:L/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C)


3.影響を受けるソフトウェア※1
OS X 10.7 系から 10.10.2 以前のバージョンが当該脆弱性の影響を受けます。


4.解説
Apple 社の OS である OS X を構成する一部の API を利用することにより、認証を回避し権限昇格されてしまう脆弱性が報告されています。

"rootpipe" と名付けられた当該脆弱性は 2014 年 10 月頃、スウェーデンのセキュリティ企業 TrueSec の研究者である Emil Kvarnhammar 氏によって発見され、Apple 社に報告されました。報告から半年近く経った 2015 年 4 月頃の OS X 10.10.3 へのアップデートにより、当該脆弱性に対策されました。

OS X 10.7 から開発者向けの API として、プロセス間通信を補助するために XPC Services API というものが導入されました。当該脆弱性は XPC Services API に含まれているコンポーネントの一つであり、アクセス制限の機能を提供する SFAuthorization (OS X 10.9 系以降では WriteConfigClient) が、アクセス権限などの正当性を適切に検証しないことに起因しています。脆弱性を利用することにより、管理者権限で OS X のファイルシステムに書き込みを行うプロセスが許容されてしまいます。その結果、当該脆弱性を利用されることにより、攻撃者がシステムに侵入された後に権限昇格されてしまう可能性があります。


5.対策
OS X のバージョンを 10.10.3 以上にアップグレードすることにより対策することが可能ですが、OS X 10.10.3 より新しいバージョンでも同様の手法でエクスプロイトが実行であるとの報告もあります。今後も当該脆弱性に関する情報を追うことを推奨します。


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html

《株式会社ラック デジタルペンテスト部》

関連記事

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 範を示す ~ MITRE がサイバー攻撃被害公表

    範を示す ~ MITRE がサイバー攻撃被害公表

  2. 脆弱な DMARC セキュリティ・ポリシーを悪用、北朝鮮スピアフィッシング詐欺

    脆弱な DMARC セキュリティ・ポリシーを悪用、北朝鮮スピアフィッシング詐欺

  3. 東急のネットワークに不正アクセス、連結子会社のファイルサーバでデータ読み出される

    東急のネットワークに不正アクセス、連結子会社のファイルサーバでデータ読み出される

  4. 東京メトロ社員が遺失者になりすまし、現金総額 235,458円 ほか遺失物着服

    東京メトロ社員が遺失者になりすまし、現金総額 235,458円 ほか遺失物着服

  5. 「マルカワみそ公式サイト」に不正アクセス、カード情報に加えログイン用パスワードも漏えい

    「マルカワみそ公式サイト」に不正アクセス、カード情報に加えログイン用パスワードも漏えい

  6. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  7. TwoFive メールセキュリティ Blog 第14回「いよいよ6月、メルマガが届かなくなる…!? ~ メルマガ配信している皆さん ワンクリック購読解除の List Unsubscribe対応は済んでますか?」

    TwoFive メールセキュリティ Blog 第14回「いよいよ6月、メルマガが届かなくなる…!? ~ メルマガ配信している皆さん ワンクリック購読解除の List Unsubscribe対応は済んでますか?」

  8. テレ東「ヤギと大悟」公式 X アカウントが乗っ取り被害、意図しないポストが数件行われる

    テレ東「ヤギと大悟」公式 X アカウントが乗っ取り被害、意図しないポストが数件行われる

  9. ランサムウェア「LockBit」被疑者の資産を凍結し起訴

    ランサムウェア「LockBit」被疑者の資産を凍結し起訴

  10. 豊島のサーバにランサムウェア攻撃、復旧済みで業務に影響なし

    豊島のサーバにランサムウェア攻撃、復旧済みで業務に影響なし

ランキングをもっと見る