4人に1人がランサムウェア被害、6割が支払いに応じ 額は300万円以上過半(トレンドマイクロ) | ScanNetSecurity
2024.05.07(火)

4人に1人がランサムウェア被害、6割が支払いに応じ 額は300万円以上過半(トレンドマイクロ)

トレンドマイクロは、「企業におけるランサムウェア実態調査 2016」の結果を発表した。

調査・レポート・白書・ガイドライン 調査・ホワイトペーパー
今やランサムウェアは、4人に1人が攻撃に遭う身近な脅威
今やランサムウェアは、4人に1人が攻撃に遭う身近な脅威 全 7 枚 拡大写真
トレンドマイクロ株式会社は8月1日、「企業におけるランサムウェア実態調査 2016」の結果を発表した。同調査は6月29日から6月30日、企業・組織のITに関する意思決定者および関与者534名を対象に、インターネット調査により実施したもの。調査結果によると、ランサムウェアの攻撃に遭った経験のある企業は25.1%で、規模別に見ると従業員数300名以上の企業では35.4%(300名以下では9.5%)が被害に遭っている。

ランサムウェアの攻撃を受けた企業のうち、73.9%がファイルを暗号化されている。その対象は、社員情報、業務関連情報、顧客・取引先情報、財務・経理情報など、さまざまな機密情報であった。そして、ファイルを暗号化された企業のうち、62.6%が身代金を支払った経験があると答えた。その金額は、57.9%が300万円以上と回答しており、16.1%は1,000万円以上支払っていた。企業規模別では、300名以下の企業では400万円以下が88.8%を占めたが、300名以上の企業では400万円以上が49.28%を占めた。

身代金を支払った理由については、「業務が滞ってしまうから」がもっとも多く69.3%を占めた。身代金を支払った結果、58.1%は完全にファイルを復旧できたが、40.3%は一部しか復旧できず、1.6%はまったく復旧しなかった。ランサムウェアによる総被害金額は、全体では「500万円以上」が46.9%、「1億円以上」が8.1%であった。企業規模別では、300名以下の企業では500万円以下が45.0%を占めたが、300名以上の企業では500万円以上が50.0%を占めた。

こうした被害が出ている一方で、未知のマルウェアの検出が期待できるサンドボックス製品の導入は30.0%にとどまっており、ランサムウェア対策を導入しない理由については「暗号化されたら困るファイルはない」「導入にコストと時間がかかる」がともに36.7%でもっとも多かった。また、全体の34.8%は「ランサムウェアの被害に遭うと思わない」と回答しており、その理由には「自社は大企業または有名企業ではないから」(45.7%、300名以下は60.0%)などが挙がった。同社では、ランサムウェアの攻撃は標的型攻撃と異なり、あらゆる規模の企業を狙うため、中小企業であっても対策が重要としている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  2. 「意識を高揚させよう」と思い特定秘密の情報を知るべき立場にない隊員に特定秘密の情報を漏らす、懲戒処分に

    「意識を高揚させよう」と思い特定秘密の情報を知るべき立場にない隊員に特定秘密の情報を漏らす、懲戒処分に

  3. モリサワ他と損害賠償金4,500万円支払で調停成立~フォント不正コピーの印刷会社

    モリサワ他と損害賠償金4,500万円支払で調停成立~フォント不正コピーの印刷会社

  4. 護衛艦いなづまの艦長、資格のない隊員を特定秘密取扱職員に指名し懲戒処分

    護衛艦いなづまの艦長、資格のない隊員を特定秘密取扱職員に指名し懲戒処分

  5. メディキットホームページに不正アクセス、閲覧障害に

    メディキットホームページに不正アクセス、閲覧障害に

  6. 信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

    信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

  7. クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

    クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

  8. 日本は悪意ある内部犯行による漏えいが 12 ヶ国中最小、プルーフポイント「Data Loss Landscape 2024(情報漏えいの全容)」日本語版

    日本は悪意ある内部犯行による漏えいが 12 ヶ国中最小、プルーフポイント「Data Loss Landscape 2024(情報漏えいの全容)」日本語版

  9. セガ フェイブが利用するメールシステムに不正アクセス、フェニックスリゾートが保有する個人情報が流出した可能性

    セガ フェイブが利用するメールシステムに不正アクセス、フェニックスリゾートが保有する個人情報が流出した可能性

  10. 「ジャンクガン」下流サイバー犯罪者が見るランサムウェアギャングの夢

    「ジャンクガン」下流サイバー犯罪者が見るランサムウェアギャングの夢

ランキングをもっと見る