防壁も効かない ソーシャルエンジニアリングに注意(2)PCだけでなく「人」にも備えが必要 | ScanNetSecurity
2026.10.26(月)

防壁も効かない ソーシャルエンジニアリングに注意(2)PCだけでなく「人」にも備えが必要

●90年代に活躍したハッカーも使った手口

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●90年代に活躍したハッカーも使った手口

ソーシャルエンジニアリングは、古くからある手口だ。そして、特に企業のセキュリティにおいて最も管理が困難な問題でもある。企業は常に大金を費やして、ファイアーウォールなどハッカーやワーム、ウイルス対策を講じているが、従業員が電話などにより、データベースにアクセスするための重要情報を犯罪者に渡してしまう。

1990年代に富士通、モトローラ、ノキアなど大企業のシステムへの侵入に成功。1995年にとうとう逮捕された有名ハッカー、ケビン・ミトニックは、多くの場合、ソーシャルエンジニアリングにより活動を行っていた。1999年8月に有罪判決が下り、2000年に釈放。その後、2002年に『The Art of Deception(欺術)』を執筆している。

その中で、コールセンターのスタッフは、(機密保持について)しっかりとしたトレーニングを受けていないことが多いと述べている。一方、製品売り込みのために、フレンドリーで相手に対して協力的であるよう求められることから、パスワードなどを簡単に引き渡してしまう。

ミトニックは企業のネットワークに侵入するとき、電話で従業員にパスワード、ユーザー名などの情報を聞き出した。この方法は、成功率が非常に高かったらしい。さらにミトニックによると、ヘルプデスクが最もソーシャルエンジニアリングの被害に遭いやすい。

大手ワイヤレスコミュニケーションのプロバイダーの多くは、ソーシャルエンジニアリングの攻撃によく遭遇しているという。攻撃をしかけているのは私立探偵だ。顧客を装い、カスタマーセンターに電話をかけ、システムの問題でデータにアクセスできないと主張する。私立探偵なので生年月日などの基本情報を持っていて、本人確認の質問を切り抜ける。そして重要なパスワードやユーザー名を尋ねてまんまと成功する。

企業などのシステムの多くはIDS(Intrusion Detection System)を有し、ネットワークを狙ったハッキング行為を探知する。ソーシャルエンジニアリングでは「人」を狙うが、デュエィン・ラフロッテは「人」もIDSを持ち、怪しいと思う相手にネットワークに侵入する糸口を与えたりしないという。ラフロッテはITシステムのコンサルティング業務などを行うCriticalSitesでセキュリティマネージャーを務める。

昨年3月の確定申告時期に、米国の税徴収機関、国税庁(IRS)のスタッフ100名に対して、財務省の監査官がヘルプデスクと偽ってパスワードを尋ねる電話をかけた。うち30名が情報を提供している。パスワードによりIRSのシステムに侵入が可能となり、市民の個人データを獲得できる。3割がまんまとひっかかったというわけだが、それでも2年前に同様のテストを行ったとき、なんと7割が騙されたというから状況は随分、改善しているという。

【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】

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