スパイ代行業者に狙われた権力監視機関シチズンラボ | ScanNetSecurity
2024.04.12(金)

スパイ代行業者に狙われた権力監視機関シチズンラボ

カナダのトロント大学にあるシチズンラボは、これまで国家が国民に対して行うネット上の検閲や監視活動を多数暴いており、政府向けに監視用のスパイウェアを開発、提供してきたサイバー軍需企業の活動も明らかにしてきた。

国際 海外情報
The Citizen Lab
The Citizen Lab 全 2 枚 拡大写真
 カナダのトロント大学にあるシチズンラボは、これまで国家が国民に対して行うネット上の検閲や監視活動を多数暴いており、政府向けに監視用のスパイウェアを開発、提供してきたサイバー軍需企業の活動も明らかにしてきた。国家が使用するこうしたソフトウェアは、ガバメントウェア、ポリスウェア、リーガルマルウェアなどさまざまな呼ばれ方をするが、やっていることはスパイウェアと同じである。

●権力の監視機関シチズンラボがサイバー軍需企業に狙われた

 このシチズンラボの研究員ふたりが、先日謎の人物から接触を受けた。表向きの口実は研究への支援を考えているということだったが、実際に会ってみるとそうではないことが明らかだった。彼らはシチズンラボを貶める目的を持って近づいたスパイであると考えられ、雇い主はNSOグループが疑われている(同社は否定している)。

 NSOグループはイスラエルのサイバー軍需企業で、世界各国の政府にスパイウェアを提供している。シチズンラボは何度も彼らのスパイウェアがどこの国でどのように利用されているかをレポートしてきた。最近ではサウジアラビアで暗殺されたジャーナリストのスマホにNSOグループのスパイウェアが仕込まれており、位置情報を含む各種情報が筒抜けになっていたことを発見した。

 また今回実際にシチズンラボの研究員に接触したのはNSOグループの人間ではなく、その依頼を受けた民間スパイ会社BlackCube社の可能性が高い。BlackCube社はイスラエルの会社で、過去にも民間企業の依頼を受けてスパイ行為を行っていたことが暴露されている。

 本稿ではまず第1回で今回の事件のあらましを紹介し、第2回ではNSOグループと今回のスパイ行為の実行主体と目されているBlackCube社について説明したいと思う。

《一田 和樹》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

    山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

  2. プルーフポイント、マルウェア配布する YouTube チャンネル特定

    プルーフポイント、マルウェア配布する YouTube チャンネル特定

  3. レンズの受注や製造を停止 ~ HOYAグループで不正アクセスに起因する可能性が高いシステム障害

    レンズの受注や製造を停止 ~ HOYAグループで不正アクセスに起因する可能性が高いシステム障害

  4. 日本のセキュリティ人材の 74 %、2023年に昇給なし

    日本のセキュリティ人材の 74 %、2023年に昇給なし

  5. お茶の水女子大学の研究室サーバに不正アクセス、攻撃の踏み台に

    お茶の水女子大学の研究室サーバに不正アクセス、攻撃の踏み台に

  6. 県職員懲戒免職 ~ 不正アクセス・データ複製 ・物品窃取

    県職員懲戒免職 ~ 不正アクセス・データ複製 ・物品窃取

  7. マリンネットサイトに SQL インジェクション攻撃、メールアドレス流出

    マリンネットサイトに SQL インジェクション攻撃、メールアドレス流出

  8. Apache HTTP Server 2.4 に複数の脆弱性

    Apache HTTP Server 2.4 に複数の脆弱性

  9. クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データが閲覧可能な状態に、154,650 人分のダウンロード確認

    クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データが閲覧可能な状態に、154,650 人分のダウンロード確認

  10. デロイトと JFEスチール、サイバーセキュリティの合弁会社設立

    デロイトと JFEスチール、サイバーセキュリティの合弁会社設立

ランキングをもっと見る