Netflix の OSS マイクロサービス群を守る脆弱性管理自動化ツール「astrid」とは? | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

Netflix の OSS マイクロサービス群を守る脆弱性管理自動化ツール「astrid」とは?

昨夏 Black Hat USA で、Netflix のシニア アプリケーション セキュリティ エンジニアが「 astrid 」という脆弱性管理を自動化するツールの発表を行った。

研修・セミナー・カンファレンス セミナー・イベント
ネットフリックス アラジン・アルムベイド氏
ネットフリックス アラジン・アルムベイド氏 全 11 枚 拡大写真
 巨大プラットフォーマーのセキュリティ対策の実体は、なかなか表には出てこない。当然だ。対外的な取り組みやコミュニティ活動では、アップル、グーグル、マイクロソフトなどはイニシアティブを発揮しているが、彼らが内製している開発ツール、システムは、一部の高度なセキュリティカンファレンスで発表があるくらいだ。

 その高度なセキュリティカンファレンスのひとつ、昨夏開催された Black Hat USA で、ネットフリックスのシニアアプリケーションセキュリティエンジニア アラジン・アルムベイド氏が、「 astrid 」という脆弱性管理を自動化するツールの発表を行った。ここでいう脆弱性管理は、同社のシステムの多くを構成するオープンソースソフトウェア( OSS )のライブラリやパッケージの依存関係を解析し、最適なパッチを当てる支援をすることだ。

 ネットフリックスのシステムは AWS 上に構築されている。1 億 5 千万人以上といわれている会員からのアクセスと動画ストリーミングを処理しているのは、クラウド( Amazon Machine Image )上のマイクロサービス群だ。これらは Linux をベースとした Java、Python プログラムによって開発されている。

 巨大サービスプラットフォーマーが、AWS、Azure、GCP と OSS を利用するスタイルは別に珍しいことではないが、 OSS をベースとしたシステムやサービスにとってセキュリティ上の懸念は、ライブラリの依存関係に起因するサプライチェーン攻撃やセキュリティホールの混入だ。この 2 つにはそれぞれ別の対策アプローチが必要になる。本稿ではアルムベイド氏の講演から、そのアプローチのポイントをお伝えしたい。

《中尾 真二( Shinji Nakao )》

この記事の写真

/

特集

関連記事

PageTop

アクセスランキング

  1. レッドチーム演習大成功 丸五か月間誰も気づけず

    レッドチーム演習大成功 丸五か月間誰も気づけず

  2. ベルシステム24 のベトナム子会社に不正アクセス、コールセンター受託業務での顧客情報漏えいの可能性

    ベルシステム24 のベトナム子会社に不正アクセス、コールセンター受託業務での顧客情報漏えいの可能性

  3. 東京海上日動火災保険 提携先の税理士法人にランサムウェア攻撃

    東京海上日動火災保険 提携先の税理士法人にランサムウェア攻撃

  4. 富士通の複数の業務パソコンに高度な手法で攻撃を行うマルウェア、複製指示のコマンドを実行し拡大

    富士通の複数の業務パソコンに高度な手法で攻撃を行うマルウェア、複製指示のコマンドを実行し拡大

  5. ランサムウェア集団が謝罪

    ランサムウェア集団が謝罪

ランキングをもっと見る
PageTop