考察「能動的サイバー防御(Active Cyber Defense)」 | ScanNetSecurity
2024.05.05(日)

考察「能動的サイバー防御(Active Cyber Defense)」

 日本電気株式会社(NEC)は2月10日、「能動的サイバー防御」についての考察を同社セキュリティブログで発表した。NECサイバーセキュリティ戦略統括部セキュリティ技術センターの郡氏が執筆している。

調査・レポート・白書・ガイドライン 調査・ホワイトペーパー
PassiveとActiveな防御の融合のイメージ
PassiveとActiveな防御の融合のイメージ 全 1 枚 拡大写真

 日本電気株式会社(NEC)は2月10日、「能動的サイバー防御」についての考察を同社セキュリティブログで発表した。NECサイバーセキュリティ戦略統括部セキュリティ技術センターの郡氏が執筆している。

 2022年12月16日に安保3文書が閣議決定される前の段階では、「積極的サイバー防御」という名前で導入が検討されていることが報道されていたが、後に「能動的サイバー防御」という用語に変更になっている。郡氏は「積極的」が攻撃的なニュアンスを想起させることを懸念したと推測し、英語文書では変わらずActive Cyber Defenseという記載であることを指摘、日本国内向けの説明と考えられるとしている。なお「能動的」という単語は、サイバー以外のパートでも意識的に使用されている。

 サイバーセキュリティ分野におけるActiveは、Passiveとの対比としての意味が大きく、基本的にはOffenseの意味合いを含んでいないことがほとんどで、FWやIDSのような待ち受ける防御だけでなく、ログ探査やマルウェアハンティングなど、より能動的・積極的な防御を指している。

 郡氏は同ブログにて、国家安全保障戦略のサイバーセキュリティ部分の紹介や、「能動的サイバー防御」の一部がDefend Forwardに近い考え方ではないか、インテリジェンス組織に任務を与えるのではないか、といった考察を行っているが、そもそも明確な定義が示されておらず、定義に際してはOffenseをどう扱うのかが重要なポイントであるとしている。

《高橋 潤哉》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  2. クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

    クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

  3. 信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

    信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

  4. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  5. 山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

    山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

  6. 「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

    「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

  7. モリサワ他と損害賠償金4,500万円支払で調停成立~フォント不正コピーの印刷会社

    モリサワ他と損害賠償金4,500万円支払で調停成立~フォント不正コピーの印刷会社

  8. サイバーセキュリティ版「天国と地獄」~ サプライヤーへサイバー攻撃、身代金支払いを本体へ請求

    サイバーセキュリティ版「天国と地獄」~ サプライヤーへサイバー攻撃、身代金支払いを本体へ請求

  9. 「GMOサイバー攻撃 ネットde診断」Palo Alto、Cisco、SonicWall、OpenVPN に対応

    「GMOサイバー攻撃 ネットde診断」Palo Alto、Cisco、SonicWall、OpenVPN に対応

  10. ビッグ・ブラザー2024 ~ 監視カメラと画像分析 その高成長市場と国際動向

    ビッグ・ブラザー2024 ~ 監視カメラと画像分析 その高成長市場と国際動向

ランキングをもっと見る