新法の下、ハッカーはテロリストに分類(英国)
コンピュータ・ハッカーをテロリストと見なす可能性のある法律“テロリズム法 2000”が、2月19日に施行された。同法は反体制派の政治組織がテロリズム活動の拠点を英国に置くことを阻止するために制定され、サイバーテロリストの脅威を初めて視野に入れた内容となって
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同法では、テロリズム定義の範囲を電子システムに深刻な妨害および混乱を与える行為にまで広げている。この法律が適用されるのは英国政府に影響を与える行為、もしくは国民を脅かす行為のみとしているが、その判断は警察に委ねられるというのが大方の見方だ。さらに、同法は警察に対し、令状なしで容疑者を48時間拘留する権限を与えている。情報技術関連の法律専門家Alex Gordon氏は同法について「全てのコンピュータ・ハッカーが捜査対象になるとは思わないが、警察がコンピュータ犯罪に関し強大な権限を得ることは明白だ。今後、同法の明確なガイドラインの策定が必要となるだろう」と指摘した。
様々な政治活動関連ウェブサイトの管理運営を行っている英国のISP、GreenNetは、同法の施行で影響を受けると見られている。GreenNetのコンサルタントでありオンライン活動家のPaul Mobbs氏は「そのうち、政府はテロリズム法を楯に取ってインターネットによる政治的キャンペーンを規制するようになるだろう」と懸念を示した。
他方、内務大臣のJack Straw氏は「テロリストは、新しい技術や攻撃手法を絶えず研究している。パレスチナとイスラエルの過激なハッカー攻撃でも顕著なように、近年サイバーテロリズムは急増している。テロリズム法の施行により、英国は断固としてテロリズムと戦う姿勢を表明した」と述べた。
《ScanNetSecurity》