【無料ツールで作るセキュアな環境(52)】〜 TTSSH 〜(執筆:office)
前回まで11回にわたってOpenSSHについて解説してきた。OpenSSHにはCygwin版が存在し、Windows上でOpenSSHのほぼ全機能を使うことができる。しかしSSHのクライアント機能のためだけにCygwinをインストールするのは少々かさ高い場合もあるだろう。そこで、手軽で便利なW
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TTSSH日本語版は、Windows用のTelnetクライアント/端末エミュレータであるTera Term Pro[2]のTera Term eXtension (TTX)機能を利用し、SSHクライアントとして使えるようにするTTSSH[3]の日本語版である。これらのソフトウェアについて順に説明していこう。
Tera Term Proは、寺西高氏によって1994年から開発されてきたフリーソフトウェアのターミナルエミュレーター(通信ソフト)であり、Windows用の
Telnetクライアント/端末エミュレータとして定番中の定番である。VT100 エミュレーション, telnet 接続, シリアルポート接続(パソコン通信) などに使用することができる。
動作環境はWindows 95、NT 3.51, NT 4.0となっているが、Windows 98, ME,2000, XPでも問題なく動作する。商用、非商用などの条件にかかわらず自由に使用することができ、無料、かつオリジナルのままであれば配布も自由である。
執筆時点の最新版はver. 2.3で、このリリースは1998/3/10である。これは開発が止まっているというわけではなく、このソフトウェアには不具合がなく、既にほぼ完成されているからである。
インストールは、
http://hp.vector.co.jp/authors/VA002416/ttermp23.zip
をダウンロードして、これを適当な作業ディレクトリで解凍する。出てきたファイル類のうちのSetup.exeをダブルクリックするなどして起動すればインストール作業が始まる。最初に言語選択があるのでJapneseを選択する。
Continueボタンを押しながら作業を進める。キーボードの選択をし、インストール先のディレクトリを選択すればインストールは完了する。
Tera Term Proで問題なく日本語を扱うことはできるが、メニュー、ダイアログボックスやメッセージなどは英語である。これを日本語化したものを、安藤弦彦氏が公開している[4]。ライセンスの内容はTera Term Proと同等である。
http://www.sakurachan.org/teraterm-j/files/ttrmp2315j.zip
をダウンロードして、適当なディレクトリで解凍する。出てきたファイル類全てをTera Term Proをインストールしたディレクトリ(C:Program Files
TTERMPRO 等)に上書きしてやるだけでよい。
TTSSHは、Robert O'Callahanによって1998年から開発されている、Tera
Term Proの拡張用DLLとして実装されたフリーのSSHクライアントである。TeraTerm Pro と同じ環境で動作する。ライセンスはBSDライセンスである。
執筆時点での最新版はver. 1.5.4で次のような特徴がある。プロトコルとしてSSH1が使用でき、通信の暗号方式として3DES, Blowfish, DESが利用できる。
サーバの認証方式としてssh_known_hostsデータベースが、認証方式としてパスワード、RSA、rhosts、rhosts + RSA、TIS challenge/responseの各方式が利用可能である。そのほかデータ圧縮をサポートし、完全なX接続の転送を含めた、Port転送をサポートしている。
office
office@ukky.net
http://www.office.ac/
[1] http://www.sakurachan.org/teraterm-j/ttssh/
[2] http://hp.vector.co.jp/authors/VA002416/
[3] http://www.zip.com.au/~roca/ttssh.html
[4] http://www.sakurachan.org/teraterm-j/
(詳しくはScan本誌をご覧ください)
http://www.vagabond.co.jp/vv/m-sc.htm
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