ブログにまつわる法律相談室■第2回■
●職場日記ブログ
特集
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ブログには、いわゆる日記系と言われる、日常の出来事を書き綴ったものが多い。「今日は○○があった」という具合で、職場のことが記されているブログもよく目にする。その内容は、会社や組織にとって良いことばかりではなく、上司や組織に対する愚痴や悪口も容赦なく書かれている。だが、内部事情を書くには、注意が必要である。
●ブログが原因で解雇される
最近、米国を中心にブログが原因で会社を解雇されるという報道が相次いでいる。有名所も然りで、最近話題になった企業を、いくつか挙げてみよう。
・米Microsoft社(以下MS社と略)
米ゼロックス社と契約した派遣社員が米MS社の敷地で働いていたある日、Apple製パソコンが入荷されてきた。それを面白がって写真に収め、自身のブログで公表したため、解雇された。米MS社側の主張は「掲載された写真から社内のレイアウトが分かり、セキュリティ上問題があるから」とのことだ。
・デルタ航空
自分のブログ上で制服姿の自身の写真を掲載。具体的に勤め先名称を書いた訳ではないが、結局解雇となった。
・米Google社
新入社員が会社での体験や印象を、賞賛・批判を織り交ぜてブログで語り、解雇された。
ブログの書き手が特に意識せずとも、会社にとって知られてはならない情報や都合の悪いことが紛れ込んでしまったことが、直接的・間接的に解雇につながったのであろう。
●会社と従業員の間にある秘密保持契約
通常、会社と従業員の間には秘密保持契約が存在する。会社との雇用契約時にもしくは在職中に、「業務遂行上知り得た秘密を他に漏らしてはならない」などといった文言の盛り込まれた契約書を交わした覚えはないだろうか。秘密の定義は、組織によって異なるが、一般的なものとして顧客データがあり、通常、社内情報も社外情報も含む。
もう一点注意すべきは、契約の有効期限である。在職中は当然のこと、契約書面に「退職後も機密を漏らしてはならない」などと記されていることが多い。退職してそことは縁が切れたから何でもあり、では決してない。契約に違反すれば、損害賠償を請求されてしまう可能性もある。
●社長ブログとインサイダー情報
職場日記ブログの代表格は、社長ブログだろう。社長日記のパイオニア的な存在である、ライブドアの堀江貴文氏の「livedoor社長日記(http://blog.livedoor.jp/takapon_ceo/)」をご存知だろうか。ブログ開設当初は、誰と会っただの、どこへ行っただのが頻繁に書かれていたように思う。今では仕事の内容を綴ったものが減ったように感じる。有名人になったから、というわけではなく、無闇に仕事のことを書くと株価に影響を与えかねないから、という思いを感じてしまうのは筆者だけだろうか。社長ブログではプロモーションを兼ねているが故に、こういったインサイダー情報面にも配慮をする必要があるのだろう。
【執筆:株式会社アイドゥ 三原崇人・井上きよみ http://www.eyedo.jp】
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全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
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