RSA Conference Japan 2007 実行委員長 安延 申 氏インタビュー (2) 企業を覆う「秘密主義」をどう打破するか | ScanNetSecurity
2024.05.04(土)

RSA Conference Japan 2007 実行委員長 安延 申 氏インタビュー (2) 企業を覆う「秘密主義」をどう打破するか

RSA Conference Japan 2007 実行委員長 安延 申氏に、RSA Conference Japan 2007(以下、RCJ)の魅力や今後の展望、そして日本のセキュリティの現状などを語っていただいた。安延氏は、フューチャーアーキテクト株式会社(http://www.future.co.jp/)代表取締役社長で、

特集 特集
RSA Conference Japan 2007 実行委員長 安延 申氏に、RSA Conference Japan 2007(以下、RCJ)の魅力や今後の展望、そして日本のセキュリティの現状などを語っていただいた。安延氏は、フューチャーアーキテクト株式会社(http://www.future.co.jp/)代表取締役社長で、2002年のRCJから実行委員長を務めており、今年で6年目を迎える。安延氏は、通産省(現経済産業省)電子政策課長在席時に、不正アクセス防止法や電子署名法などのセキュリティに関わる重要な法整備に深く携わったことでも知られる。

RSA CONFERENCE JAPAN 2007
http://www.cmptech.jp/rsaconference/

───

● RSA Conference Japan の今後の展望

Q:RSA Conference Japan でまだ達成できていないことは何でしょう?

安延(敬称略):ここまでで成功していると言えるのは、RCJで発表する価値を理解してもらえるようになったことです。RCJでスピーカーとして講演したことに、定評が出てきたという話も聞けるようになりました。

米国のRSA Conferenceにあって、日本で実現していないのは「Call for Papers」という公募セッションです。募集すると、開催毎に全米の学者や企業内の研究者から何千通と論文が集まってくる。その中から選りすぐったものが発表されるというものです。これが、RSA Conferenceの質をより一層向上させています。

これを実現するためには、論文を選定するために専門の人を雇ったりする必要があり、相応のコストが必要となるのです。米国のRSA Conferenceでは、約10万円の参加費用で、約1万4千人集まる。日本は、参加料も安く、規模も米国の10分の1程度なので、ここまで費用をかけられない。そこは残念なところです。

RCJは順調にここまできましたが、集客では有料プログラムで1,500人あたりに壁があるのが現状です。この1つの原因としては、セキュリティの市場の差だと思います。米国に比べると、日本のセキュリティ市場がまだ成長できていない。米国ではユーザーの参加者が多く、日本はサプライヤーの参加者が多い。3対7でちょうど逆転している具合です。これを見ると、セキュリティ市場がまだ広がっていないと感じます。

もう1つの原因としては、都心に近く、大規模で使いやすく、利用料も安いイベント会場がないことも問題です。大規模イベントを行える会場の多くは、公的な資金も入っているはずなので、ソーシャルインフラとして充実させるためにもっと安価で提供するべきです。

Q:来年以降も、RCJがイベントとして成功していくためには何が必要でしょうか?

安延:足りないと感じているのは、サプライヤーやベンダーとしてではなく、ユーザーの立場で来ていただける聴講者への訴求です。我々自身もユーザーが欲しいと思う情報を十分に提供できていないと反省すべきだと思いますが、他方、スピーカー側が、存外に秘密主義で、こうした場で話したがらない、情報を秘匿したがる…という問題もあるように思います…

【取材・執筆:株式会社トライコーダ 上野 宣】

●RSA CONFERENCE JAPAN 2007
http://www.cmptech.jp/rsaconference/
2007年4月25日(水),26日(木) ザ・プリンスパークタワー東京
※4月24日(火)18:00まで事前登録受付中

──
この記事には続きがあります。
全文はScan Security Management本誌をご覧ください。

◎有料版Scan申込> http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m02_ssm

《ScanNetSecurity》

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  2. クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

    クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

  3. 信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

    信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

  4. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  5. 山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

    山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

  6. 「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

    「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

  7. サイバーセキュリティ版「天国と地獄」~ サプライヤーへサイバー攻撃、身代金支払いを本体へ請求

    サイバーセキュリティ版「天国と地獄」~ サプライヤーへサイバー攻撃、身代金支払いを本体へ請求

  8. 「GMOサイバー攻撃 ネットde診断」Palo Alto、Cisco、SonicWall、OpenVPN に対応

    「GMOサイバー攻撃 ネットde診断」Palo Alto、Cisco、SonicWall、OpenVPN に対応

  9. 「味市春香なごみオンラインショップ」に不正アクセス、16,407件のカード情報が漏えい

    「味市春香なごみオンラインショップ」に不正アクセス、16,407件のカード情報が漏えい

  10. データスコープ社製の顔認証カメラに脆弱性

    データスコープ社製の顔認証カメラに脆弱性

ランキングをもっと見る