Scan二誌横断特集:アジアのセキュリティ動向 韓国の国際セキュリティカンファレンス POC2007 に参加してみた(1) | ScanNetSecurity
2024.04.27(土)

Scan二誌横断特集:アジアのセキュリティ動向 韓国の国際セキュリティカンファレンス POC2007 に参加してみた(1)

Scan二誌横断特集「アジアのセキュリティ動向」では、Scan Security Wireと、Scan Security Management二誌連動で、それぞれ韓国と中国を代表する情報セキュリティカンファレンスに現地取材を実施、アジアの情報セキュリティの動向を探ります。

●今年で2回目のPOC、

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Scan二誌横断特集「アジアのセキュリティ動向」では、Scan Security Wireと、Scan Security Management二誌連動で、それぞれ韓国と中国を代表する情報セキュリティカンファレンスに現地取材を実施、アジアの情報セキュリティの動向を探ります。

●今年で2回目のPOC、韓国のハッカーコミュニティを育成

韓国の11月は肌寒くなり始めるが、11月15から16日の2日間、ソウル市の韓国教育文化センターで「POC2007」が開催された。POCは、昨年から始まったセキュリティとハッキングに焦点を当てた国際コンファレンスで、今年は第2回目になる。POCとは「Power of Community」の略であり、韓国のセキュリティ関係者とハッカーのコミュニティを作ることを意識している。

POC2007は、スポンサーにマイクロソフト社とシンガポールのセキュリティ企業COSEINC社が名前を連ね、スピーカーは、中国のハッカーコンファレンス「Xcon」の主催者Casperこと王英鍵、Immunity社のCTO David Aitel、日本からセキュアスカイ・テクノロジー社の福森大喜氏らが集合した。

代表的なプレゼンテーションとして、韓国で特にオンラインバンキングやゲームで多用されているActiveXの問題の他、ニンテンドーDSを攻撃プラットフォームにされる危険性、携帯電話プロトコルのエクスプロイットなど、ハードウェア寄りの話題も多く発表された。

POC
http://www.powerofcommunity.net/

POC2007プレゼンテーション

●学生が参加しやすい料金体系

第1回目の昨年は約500名の参加者で、その3分の2ほどが大学生であった。参加費は200,000ウォン(約23,000円)だが学割があり、半額で入れることが大学生参加者を増やすのに一役買っていた。この時の会場は、ヨイド区にあるFKIという日本の経団連会館に相当するビルで、韓国国会の目の前に位置していた。韓国がセキュリティに対して置いている重みを感じたものだ。

ヨイド区にあるFKIは韓国国会の目の前にある日本の経団連会館に相当するビルだ

FKIのある地区には、韓国の銀行や金融企業、LG電子社やHP社などエレクトロニクス企業が集中し、また韓国のアンチウィルス企業のトップAhnLab社のオフィスもある。昨年のPOC2006のスポンサーには、韓国の有名インターネットポータルNaverやネットゲームサイトを運営するNHN社や、アンチウィルスのAhnLab社とVMCraft社やInetCop社など韓国セキュリティ企業が並んでいた。

昨年のPOC2006のオープニングを飾ったのは、FSFの創立者リチャード・ストールマンの基調講演であった。ただし話題はなぜか著作権についてで、セキュリティとコミュニティという開催趣旨とまったく外れていた。

FSF創立者リチャード・ストールマン

海外プレゼンターは、中国のSun Bingによる仮想マシンルートキットの理論、ドイツのLucas GrunwaldによるRFIDクローニング、GragqによるVoIPサービスを乗っ取るデモなどであった。韓国側プレゼンターは、AhnLab社、InetCop社、VMCraft社など、韓国セキュリティ企業の研究者からの発表が多く、韓国で多用されているActiveXのセキュリティ問題、仮想マシンでのセキュリティ強化やFedora Linuxのセキュリティ機能の検証などレベルは高かった。とはいえ、ほとんどのプレゼンテーション・スライドがハングル文字のため、同時通訳の英語だけを通してしか内容が理解できない悩ましさがあった。
●POC2007の参加者の大半が大学生

さて、第2回目となる今年のPOC2007の参加者は、約300名で大部分が大学生で、会場の教育文化センターは近くに国立教育大学もある。スポンサーにはマイクロソフトとシンガポールのセキュリティ企業COSEINCが付いていた…

【執筆:Gohsuke Takama】

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