>>第一回から読む
「なんでクスリなんかするのかなー?」
オレは葛城の下手な芝居に噴き出しそうになった。
「クスリは簡単に手に入るんだよ。クラブとか、ライブハウスで、素人が売人をやってたりする。錠剤とか、チョコとか、金魚の形の醤油入れとか、クスリとは思えないような形で売ってるんだ。最初はタダでくれたりするしね。クスリとは知らずにやって、ずるずると抜けられなくなるっていうよくあるパターンなんだろうなあ」
葛城は思ったよりショックを受けたようだった。こいつは古いヤツだな、とオレは思った。若い連中は、自分でやるかどうかは別としてクスリが手軽に手にはいることを知っている。だから、知り合いがやっていても、そんなに驚いたりしない。おっかないヤクザとつきあいがないと、クスリが手に入らなかったのは遠い昔の話だ。
「あんたも家のローンがあるよな。悪いけど調べたよ。だってあんたも容疑者だからさ」
オレが葛城に言うと、露骨にいやな顔をした。
「それに消費者金融から金を借りてるだろ。なんでサラ金なんかで借りるんだよ。嫁さんに内緒だろ。こんなの調べればすぐにわかっちゃうんだ。隠し通せるもんじゃないよ。転職する時、身体検査ではねられちゃうよ」
オレが、転職、と口にした時、葛城の顔色が変わった。もしかしたら、思い当たることがあったのかもしれない。これ以上言って泣き出されたらいやだ。
「なんでクスリなんかするのかなー?」
オレは葛城の下手な芝居に噴き出しそうになった。
「クスリは簡単に手に入るんだよ。クラブとか、ライブハウスで、素人が売人をやってたりする。錠剤とか、チョコとか、金魚の形の醤油入れとか、クスリとは思えないような形で売ってるんだ。最初はタダでくれたりするしね。クスリとは知らずにやって、ずるずると抜けられなくなるっていうよくあるパターンなんだろうなあ」
葛城は思ったよりショックを受けたようだった。こいつは古いヤツだな、とオレは思った。若い連中は、自分でやるかどうかは別としてクスリが手軽に手にはいることを知っている。だから、知り合いがやっていても、そんなに驚いたりしない。おっかないヤクザとつきあいがないと、クスリが手に入らなかったのは遠い昔の話だ。
「あんたも家のローンがあるよな。悪いけど調べたよ。だってあんたも容疑者だからさ」
オレが葛城に言うと、露骨にいやな顔をした。
「それに消費者金融から金を借りてるだろ。なんでサラ金なんかで借りるんだよ。嫁さんに内緒だろ。こんなの調べればすぐにわかっちゃうんだ。隠し通せるもんじゃないよ。転職する時、身体検査ではねられちゃうよ」
オレが、転職、と口にした時、葛城の顔色が変わった。もしかしたら、思い当たることがあったのかもしれない。これ以上言って泣き出されたらいやだ。