中国政府が警戒する「ネット水軍」、組織化された影響力を懸念(Far East Research)
4月中旬、新華社が伝えたところによれば、中国国務院新聞弁公室、工業情報化部、公安部、国家工商総局は「違法なネットワーク広報活動の特定項目に関する抜本的整備事業方案」を提出し、4月中旬から2ヶ月の期限で、中国全土の「ネット水軍」行為の特定項目に対する取り締
国際
Far East Research
「ネット水軍(網絡水軍)」とは、簡単に言えば大規模なネット上の「サクラ」行為、あるいはサクラ行為を行っている組織を指す。PR企業に雇われて動員された数千人の「ネット水軍」が、ブログや新浪微博(中国版のTwitter)等上の特定のコメントに世論誘導的なフォローアップを投稿する行為は、昨年末から中国のインターネットで大きな問題となっていた。
中国政府は「ネット水軍」が社会に危害を及ぼし、清浄なネットワーク社会の秩序に悪影響を与えるという懸念から管理措置を実施するとのこと。新華社はまた、中国政府が「ネット水軍は偽りの民意を作り出した」と非難したことを伝えている。また、今年の「両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)」で代表と委員らはすでに、「ネット水軍」取り締まりに関し整備された法案を提出し、可決している。
いうまでもなく「ネット水軍」は、反政府運動の強力な武器になりうる。ネットが加速したともいわれる中東の民主化デモの影響におびえる中国政府の、ネットが持つ「迅速かつ大規模な世論動員パワー」に対する強い警戒心が見て取れる出来事だ。
百度「網絡水軍」
http://baike.baidu.com/view/3098178.htm#sub3098178
(Vladimir)
筆者略歴:infovlad.net 主宰。中国・北朝鮮・ロシアのセキュリティ及びインテリジェンス動向に詳しい
《ScanNetSecurity》
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