Oracle Java SE の Rhino JavaScript エンジンに起因する任意コード実行の脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.05.08(水)

Oracle Java SE の Rhino JavaScript エンジンに起因する任意コード実行の脆弱性(Scan Tech Report)

Oracle Java SE の Rhino JavaScript エンジンには、Error オブジェクトの取り扱いに不備が存在するため、サンドボックスによるセキュリティ制限を回避して、任意のコードが実行可能な脆弱性が報告されました。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
1.概要
Oracle Java SE の Rhino JavaScript エンジンには、Error オブジェクトの取り扱いに不備が存在するため、サンドボックスによるセキュリティ制限を回避して、任意のコードが実行可能な脆弱性が報告されました。
悪質な Web ページを閲覧した場合、リモートの第三者によってシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。
既にエクスプロイトキットに、この脆弱性を悪用するエクスプロイトコードが含まれていることが確認されており、また当該脆弱性を悪用するマルウェアが出現する可能性も高いことが考えられるため、対象のユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
10.0
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2011-3544&vector=%28AV%3AN/AC%3AL/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%29


3.影響を受けるソフトウェア
Java SE (JDK and JRE) 6 Update 27 以前
Java SE (JDK and JRE) 7

※影響を受けるバージョンの Java SE が含まれる Mac OS や Linux、UNIX においても、この脆弱性の影響を受ける可能性があります。


4.解説
Oracle Java SE に同梱される Rhino JavaScript エンジンには、JavaScript の Error オブジェクトを処理する際に SecurityManager によるセキュリティ制限を適切に適用しない不備が存在します。
このため、message プロパティを toString メソッドによって上書きした不正な Error オブジェクトを介して、サンドボックスによるセキュリティ制限を回避し、任意のコードを実行可能な脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は Web ブラウザを実行するユーザの権限で任意のコードを実行し、システムを制御することが可能となります。

この脆弱性は、Michael Schierl 氏によって 2011/5/12 に発見され、2011/10/26 に Oracle がセキュリティアドバイザリと共に解消バージョンの Java SE をリリースした問題になります。その後、2011/11/29 にこの脆弱性を悪用する攻撃ツールが Metasploit で公開されています。

また、複数の脆弱性を悪用するエクスプロイトコードをパッケージ化したエクスプロイトキットの 1 つである BlackHole Exploit Kit に、この脆弱性を悪用するエクスプロイトコードが組み込まれていることが報告されています。

Krebs on Security Public Java Exploit Amps Up Threat Level:
http://krebsonsecurity.com/2011/11/public-java-exploit-amps-up-threat-level/
JPCERT/CC Alert JPCERT-AT-2011-0032
https://www.jpcert.or.jp/at/2011/at110032.txt


5.対策
(Web非公開)

6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック コンピュータセキュリティ研究所

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 護衛艦いなづまの艦長、資格のない隊員を特定秘密取扱職員に指名し懲戒処分

    護衛艦いなづまの艦長、資格のない隊員を特定秘密取扱職員に指名し懲戒処分

  2. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  3. 「意識を高揚させよう」と思い特定秘密の情報を知るべき立場にない隊員に特定秘密の情報を漏らす、懲戒処分に

    「意識を高揚させよう」と思い特定秘密の情報を知るべき立場にない隊員に特定秘密の情報を漏らす、懲戒処分に

  4. メディキットホームページに不正アクセス、閲覧障害に

    メディキットホームページに不正アクセス、閲覧障害に

  5. 社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

    社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

  6. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  7. 日本は悪意ある内部犯行による漏えいが 12 ヶ国中最小、プルーフポイント「Data Loss Landscape 2024(情報漏えいの全容)」日本語版

    日本は悪意ある内部犯行による漏えいが 12 ヶ国中最小、プルーフポイント「Data Loss Landscape 2024(情報漏えいの全容)」日本語版

  8. セガ フェイブが利用するメールシステムに不正アクセス、フェニックスリゾートが保有する個人情報が流出した可能性

    セガ フェイブが利用するメールシステムに不正アクセス、フェニックスリゾートが保有する個人情報が流出した可能性

  9. 信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

    信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

  10. Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

    Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

ランキングをもっと見る