「Tor」への接続ユーザ数の急増の背景に、ボットネットによる悪用(トレンドマイクロ) | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

「Tor」への接続ユーザ数の急増の背景に、ボットネットによる悪用(トレンドマイクロ)

トレンドマイクロは、匿名通信システム「Tor」への接続ユーザ数が8月19日以降、著しく増加している要因についてブログで解説している。

脆弱性と脅威 脅威動向
トレンドマイクロのブログ記事
トレンドマイクロのブログ記事 全 1 枚 拡大写真
トレンドマイクロ株式会社は9月6日、匿名通信システム「Tor」への接続ユーザ数が8月19日以降、著しく増加している要因について、ブログで解説している。同社によると、Torへの接続ユーザ数の急激な増加は、ボットネットによりTorネットワークが悪用されたのが原因と考えられるとしている。同社のクラウド型セキュリティ基盤「Trend Micro Smart Protection Network」によるフィードバックから、不正プログラム「Mevade」が8月最終週から9月初めにかけて、実際にTorのモジュールをダウンロードしていることを突き止めた。

サイバー犯罪者たちは、彼らのC&Cサーバを隠ぺいするためにTorを利用したものと考えられる。そして、Tor上での匿名化されたサービスを停止することは、事実上不可能となる。オランダのセキュリティベンダ「FOX-IT」も、「Mevade」と呼ばれる不正プログラムがおそらく自身のC&C通信用のバックアップとしてTorのコンポーネントをダウンロードしていたことに言及している。ただし、今回の事例に関わるサイバー犯罪者たちは、自身の身元を「匿名化」するのに少し注意が足らなかったようで、主要メンバーが確認されている。トレンドマイクロでは、彼らの金銭獲得の手段のひとつとして「Mevade」で構成されるボットネットが使われ、感染PC上へのアドウェアやツールバーのインストールにより実行されているものと推測している。また「Mevade」は、情報収集機能も備えている可能性が非常に高いとしている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

この記事の写真

/

特集

関連記事

PageTop

アクセスランキング

  1. レッドチーム演習大成功 丸五か月間誰も気づけず

    レッドチーム演習大成功 丸五か月間誰も気づけず

  2. ベルシステム24 のベトナム子会社に不正アクセス、コールセンター受託業務での顧客情報漏えいの可能性

    ベルシステム24 のベトナム子会社に不正アクセス、コールセンター受託業務での顧客情報漏えいの可能性

  3. 東京海上日動火災保険 提携先の税理士法人にランサムウェア攻撃

    東京海上日動火災保険 提携先の税理士法人にランサムウェア攻撃

  4. 富士通の複数の業務パソコンに高度な手法で攻撃を行うマルウェア、複製指示のコマンドを実行し拡大

    富士通の複数の業務パソコンに高度な手法で攻撃を行うマルウェア、複製指示のコマンドを実行し拡大

  5. ランサムウェア集団が謝罪

    ランサムウェア集団が謝罪

ランキングをもっと見る
PageTop