マルウェア産業革命時代の個人情報防衛 第3回 Kaspersky 前田典彦 「共有されない危機感」(作家一田和樹取材メモ)
カナダ在住のサイバーミステリ小説作家 一田和樹氏が11月に来日した際、次回作構想のために面会した国内のセキュリティ専門家との対談の模様の、一田氏本人によるレポートを6回連載でお届けします。
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この十年で個人が利用する情報機器は大きく変化しました。モバイル機器、ソーシャルネットワークなど従来のパソコン用アンチウイルスソフトやパーソナルファイアウォールではカバーしきれないものが利用の中心を占めるようになりました。
主要なモバイル機器(スマホやタブレット)では、アンチウイルスソフトといえどもアプリとして動作するため出来る防御に限界があります。ソーシャルネットワークでは、さまざまな経路から個人情報が露出し漏洩しています。攻撃方法も攻撃者も多様化、高度化し、一田和樹氏はこの状況を「マルウェア産業革命」と呼んでいます。
こうした現状を踏まえ、新しい形の個人情報防衛ツールが求められています。現状の延長線上にあるのか、新しいパラダイムのうえに構築されるのか、それはまだわかりません。
今回一田和樹氏が設定した、上記テーマに基づいて、トレンドマイクロ株式会社 セキュリティエバンジェリスト 染谷 征良 氏、株式会社Kaspersky Labs Japan チーフセキュリティエヴァンジェリスト 前田典彦氏、マカフィー株式会社 コンシューママーケティング部 青木大知氏、以上3名のアンチウイルスベンダの専門家と、先端技術開発のR&D企業、株式会社FFRI 執行役員 事業推進本部長 村上 純一 氏、未来を見据えた技術開発に尽力する、デジタルアーツ株式会社 取締役CTO 高橋則行氏の計5名に話をききました。
[想定質問]※
1.現状について
・過去と現在で大きく異なる点
・現状の問題点(主にAntiVirusやパーソナルFW等の個人情報防衛ツール)
・日本固有の問題
2.次世代個人情報防衛ツールについて
・製品投入計画
・従来との相違と期待できる効果
・課題
※対談者により質問内容は異なることがあります
●マルウエアの高度化と、クラウドプロテクション
一田
最近の変化のひとつとしてパソコン以外のデバイスがネットに接続されてきたこと = 例えばスマホの普及、が挙げられると思います。スマホの場合はできることに制限があるため(ルート権限を持てないため、リアルタイムで通信を監視するなどの機能が実装できない)防御に限界があると思うんですが…
※本記事はメールマガジンScanに全文を掲載しました
《一田和樹》
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