ネットバンキングとランサムウェアに関する相談が急増--年間ウイルス届出(IPA)
IPA技術本部 セキュリティセンターは、2013年年間の「コンピュータウイルス・不正アクセス届出状況および相談受付状況」を発表した。
脆弱性と脅威
脅威動向
2013年は、メールの添付ファイルの開封による被害届出があり、4種のウイルス感染が確認された。届出があったのは学校で、私物のPCを学校のネットワークに接続したことで感染が拡大した。このPCはセキュリティソフトを入れていなかった。IPAでは、感染した4つのウイルスは2000年代に流行したものなので、セキュリティソフトを適切に使用していれば感染被害に遭わなかったと指摘している。
コンピュータ不正アクセス届出状況では、2013年の年間届出件数は168件で、2012年の届出件数121件から47件(約39%)増加した。168件の年間届出のうち被害があった件数は158件と、全体の約94%を占めている。また2013年は2012年と比較して「侵入」「なりすまし」の届出数増加が目立った。被害内容別ではWebサイト改ざんが前年に続き最多となった。届出内容を見ると、改ざんされたサイトの多くはセキュリティ対策の不十分なPCで閲覧するとウイルスに感染するように細工されており、ウイルス感染がウェブ改ざんの主な目的であったといえる。
2013年のウイルス・不正アクセス関連の相談総件数は15,227件と2012年の11,950件から約27%増加した。月ごとの件数で見ると、2013年2月以降は常に1,000件を越す相談があった。このうち「ワンクリック請求」に関する相談が3,287件(同2,755件)、「偽セキュリティソフト等」に関する相談が889件(同354件)、「スマートフォン」に関する相談が559件(同297件)などとなっている。また、全体に占める件数は少ないものの、2012年と比べて著しく増加している相談は「インターネットバンキング」148件(2012年:39件)と「ランサムウェア」22件(2012年:3件)で、今後も増加するとしている。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》
関連記事
この記事の写真
/