不正送金の可能性が高いときのみ認証を求めるトランザクション署名を追加(EMCジャパン) | ScanNetSecurity
2024.04.17(水)

不正送金の可能性が高いときのみ認証を求めるトランザクション署名を追加(EMCジャパン)

EMCジャパンは、包括的な認証・不正行為検出プラットフォームの最新版「RSA Adaptive Authentication 7.3」を発表した。

製品・サービス・業界動向 新製品・新サービス
EMCジャパンののRSA事業本部事業推進部シニア ビジネスデベロップメント マネージャーである花村実氏
EMCジャパンののRSA事業本部事業推進部シニア ビジネスデベロップメント マネージャーである花村実氏 全 5 枚 拡大写真
EMCジャパン株式会社は6月7日、包括的な認証・不正行為検出プラットフォームの最新版「RSA Adaptive Authentication 7.3」を発表した。同社のRSA事業本部事業推進部シニア ビジネスデベロップメント マネージャーである花村実氏は、オンラインバンキングの不正送金被害が、件数は減っているものの金額が増加しており、対象となる金融機関の拡大と法人を狙うケースの増加が背景にあるとした。

不正送金などへの対策として、すでに多くの金融機関は電子証明書やワンタイムパスワードなどを導入しているが、利用者が操作負荷の増大を嫌がり別の金融機関に乗り換えてしまう不安などから、実際には使われていないケースが多いと花村氏は指摘した。これまでは100%の対策を提供してきたが、すべて常に100%では使い勝手に悪影響を及ぼす。そこで新バージョンではリスクベースのトランザクション署名を追加したという。

同製品では、利用者のIPアドレス、ブラウザの種類、時間帯や場所などの利用環境を分析し、不正利用のリスクをスコアで判定するリスクベース認証を行う。新たに追加されたトランザクション署名は、明らかに不正リスクのある振込み手続きを検知した際には、利用者のスマホに通知し、手続き続行の可否を利用者に求めるというもの。これにより、正当な振込み操作はシンプルに行うことができ、トロイの木馬やMITM、MITBなど不正の可能性のある振込みには利用者本人に確認を求めることができる。

RSAの製品管理ディレクターであるマーク・クライトン氏は、同製品のポイントを紹介。他の製品と最も異なる点は使いやすさであるとした。複数の認証キーを持つのではなく、スマートフォンに金融機関のアプリを入れるだけでよく、安全性を担保した状態でシンプルで便利に使えることを挙げた。そのためにSDKを提供しており、金融機関は容易にトランザクション署名を追加できる。また、リスクレベルの強度は変更でき、署名の種類も文字入力や生体認証などを選ぶことができる。もちろん、ワンタイムパスワードの提供も可能だという。

同製品の価格は、サービス対象利用者に基づいて算出される。たとえば、サービス利用者数が10万人規模のサイトの場合、利用者単価が623円となる。また、リスクベース認証のために利用者の「正当なふるまい」を学習するために90日間必要としている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 東芝テックが利用するクラウドサービスに不正アクセス、取引先や従業員の個人情報が閲覧された可能性

    東芝テックが利用するクラウドサービスに不正アクセス、取引先や従業員の個人情報が閲覧された可能性

  2. 「引っかかるのは当たり前」が前提、フィッシングハンターが提案する対策のポイント ~ JPAAWG 6th General Meeting レポート

    「引っかかるのは当たり前」が前提、フィッシングハンターが提案する対策のポイント ~ JPAAWG 6th General Meeting レポート

  3. マリンネットサイトに SQL インジェクション攻撃、メールアドレス流出

    マリンネットサイトに SQL インジェクション攻撃、メールアドレス流出

  4. プルーフポイント、マルウェア配布する YouTube チャンネル特定

    プルーフポイント、マルウェア配布する YouTube チャンネル特定

  5. 山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

    山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

  6. 警察庁、サイバー事案通報の統一窓口を設置

    警察庁、サイバー事案通報の統一窓口を設置

  7. 委託事業者が回収処理した国民健康保険証、拾得物として警察署に届く

    委託事業者が回収処理した国民健康保険証、拾得物として警察署に届く

  8. 転職先で営業活動に活用、プルデンシャル生命保険 元社員 顧客情報持ち出し

    転職先で営業活動に活用、プルデンシャル生命保険 元社員 顧客情報持ち出し

  9. チラシ記載の QR コードを誤って管理者用 URL から作成、申込者の個人情報が閲覧可能に

    チラシ記載の QR コードを誤って管理者用 URL から作成、申込者の個人情報が閲覧可能に

  10. マイクロソフトが 4 月のセキュリティ情報公開、悪用の事実を確認済みの脆弱性が 1 件

    マイクロソフトが 4 月のセキュリティ情報公開、悪用の事実を確認済みの脆弱性が 1 件

ランキングをもっと見る