ドキュメンタリー映画「シチズンフォー スノーデンの暴露」公開、米政府の大規模監視を告発
テロ防止の名目で米政府がインターネットや電話を大規模に監視していることを 2013 年に内部告発した元 CIA 職員エドワード・スノーデンの発言と行動を描いたアカデミー賞受賞のドキュメンタリー映画「シチズンフォー スノーデンの暴露」が 6 月 11 日全国で公開された。
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監督・撮影はドキュメンタリー映画作家のローラ・ポイトラス。製作総指揮は「オーシャンズ」シリーズのスティーヴン・ソダーバーグ。エドワード・スノーデン本人および、ジャーナリストのグレン・グリーンウォルドが映像に登場する。
監督のローラ・ポイトラスと記者のグレン・グリーンウォルドは、エドワード・スノーデン自身によって内部告発の情報を最初に伝える相手として指名され、暗号化通信によって会合場所である香港のホテルへ呼び出された ( 「シチズンフォー」 はコンタクト初期にスノーデンが使ったコードネーム )。
映画は、香港のホテル ザ・ミラ 10 階のスノーデンの部屋で、ベッドに座るスノーデンを前にして数日にわたって行ったグリーンウォルドらによる密着取材の様子をおさめた生々しい映像で構成される。
スノーデンは映像の中で次のように語る。
「マスコミは人格に焦点を当てすぎです。人格に焦点を当てすぎて、論点をそらされるのが心配です。そうなるのがイヤだからずっと言ってた。 『話の中心は僕じゃない』 」
ローラ・ポイトラスとグレン・グリーンウォルドは、この要請に応えた。人類史に残るプライバシー侵害の大事件ながら、スノーデンは英雄的人物としても悪人としても描かれず、かわりにこの問題の政治的な背景がていねいに取材されている。
本作でローラ・ポイトラス監督は第 87 回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を、グレン・グリーンウォルドの記事によって寄稿先の英ガーディアン紙はピューリッツァー賞を得た。
《高橋潤哉》
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