ロシアが世界に仕掛ける「ハイブリッド戦」の鍵となる自称民主主義とサイバー戦闘力 | ScanNetSecurity
2020.08.11(火)

ロシアが世界に仕掛ける「ハイブリッド戦」の鍵となる自称民主主義とサイバー戦闘力

図1はロシアが展開しているハイブリッド戦争のおおまかな流れである。

特集 コラム
図2.ヨーロッパ各国に広がるロシアの影響力
図2.ヨーロッパ各国に広がるロシアの影響力 全 9 枚 拡大写真
●激突するロシアと世界

 サイバー戦争は現在進行形と言われてからすでに何年も経った。数年前からは、プーチンは戦争をしているといろんなところで言われるようになった。もちろん過去の意味での戦争ではないし、サイバー戦争だけの話ではない。もっと包括的かつ日常的な戦争だ。

 最近では西側各国(西側という表現も懐かしいが)がロシアの外交官を追放したが、これも戦争のひとつの形と言えるだろう。各国はその理由としてロシアの元スパイが暗殺されかけたことをあげている。

 しかしその根拠は状況証拠の積み上げであり、法治国家では裁判で有罪となるまでは無罪という原則があるので、いささか早すぎる対応という感がある。

 今回の対応は政治的な意図の元に行われたものであり、単にこのひとつの事件だけについての反応ではないと考える方が妥当だろう。三月にプーチンが大統領に再選されたこともあり、西側各国はロシアに対する警戒心を強めているのだ。

 図1はロシアが展開しているハイブリッド戦争のおおまかな流れで、図2と表1は各国における進行度合いである(なお、図と表はわかりやすくするために単純化しており、時期や評価方法で影響度は異なるので、あくまで概観するための目安としてご覧いただきたい)。

 これを見ていただくと、西側が今回の事件に迅速に反応した理由もわかる。それだけ危機感をつのらせているのだ。しかも今年選挙を控えている国もある。

 放置すれば親ロシアの極右あるいは極左の政党が政権を握り、大きな混乱を巻き起こしかねない。昨年のフランス大統領選は無事にしのいだが、安心はできない。アメリカ大統領選の二の舞を演じたくないということだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 続きを読む

《一田 和樹》

関連記事

この記事の写真

/
PageTop

特集

アクセスランキング

  1. やけど虫の駆除方法、体液が皮膚に付いてしまった場合の対策について

    やけど虫の駆除方法、体液が皮膚に付いてしまった場合の対策について

  2. 11拠点のパソコンがEmotet感染、なりすましメールを送信(ネッツトヨタ静岡)

    11拠点のパソコンがEmotet感染、なりすましメールを送信(ネッツトヨタ静岡)

  3. IDの登録情報システムに不具合、最大38万件が別ユーザーに上書きされる(ヤフー)

    IDの登録情報システムに不具合、最大38万件が別ユーザーに上書きされる(ヤフー)

  4. iPhoneに不審なカレンダーなどが表示される報告が相次ぐ(IPA)

    iPhoneに不審なカレンダーなどが表示される報告が相次ぐ(IPA)

  5. サイバー犯罪の検挙件数、2019年は9,542件に(警察庁)

    サイバー犯罪の検挙件数、2019年は9,542件に(警察庁)

  6. 「アカウントを更新できなかった」とする偽Amazonメール(フィッシング対策協議会)

    「アカウントを更新できなかった」とする偽Amazonメール(フィッシング対策協議会)

  7. 不正なログインによりパスワードを無効化したとするAmazon偽メール(フィッシング対策協議会)

    不正なログインによりパスワードを無効化したとするAmazon偽メール(フィッシング対策協議会)

  8. 職員のアカウントを踏み台に1,733名に不審メール送信(LINK-J)

    職員のアカウントを踏み台に1,733名に不審メール送信(LINK-J)

  9. 決済サービス用コンピュータに不正アクセスし決済情報を偽る、21歳男性を逮捕(三重県警察)

    決済サービス用コンピュータに不正アクセスし決済情報を偽る、21歳男性を逮捕(三重県警察)

  10. 「ゼロトラストNW」「SASE」新規追加、2020年版ハイプサイクル(ガートナー ジャパン)

    「ゼロトラストNW」「SASE」新規追加、2020年版ハイプサイクル(ガートナー ジャパン)

ランキングをもっと見る