ロシアが世界に仕掛ける「ハイブリッド戦」の鍵となる自称民主主義とサイバー戦闘力
図1はロシアが展開しているハイブリッド戦争のおおまかな流れである。
特集
コラム

サイバー戦争は現在進行形と言われてからすでに何年も経った。数年前からは、プーチンは戦争をしているといろんなところで言われるようになった。もちろん過去の意味での戦争ではないし、サイバー戦争だけの話ではない。もっと包括的かつ日常的な戦争だ。
最近では西側各国(西側という表現も懐かしいが)がロシアの外交官を追放したが、これも戦争のひとつの形と言えるだろう。各国はその理由としてロシアの元スパイが暗殺されかけたことをあげている。
しかしその根拠は状況証拠の積み上げであり、法治国家では裁判で有罪となるまでは無罪という原則があるので、いささか早すぎる対応という感がある。
今回の対応は政治的な意図の元に行われたものであり、単にこのひとつの事件だけについての反応ではないと考える方が妥当だろう。三月にプーチンが大統領に再選されたこともあり、西側各国はロシアに対する警戒心を強めているのだ。
図1はロシアが展開しているハイブリッド戦争のおおまかな流れで、図2と表1は各国における進行度合いである(なお、図と表はわかりやすくするために単純化しており、時期や評価方法で影響度は異なるので、あくまで概観するための目安としてご覧いただきたい)。
これを見ていただくと、西側が今回の事件に迅速に反応した理由もわかる。それだけ危機感をつのらせているのだ。しかも今年選挙を控えている国もある。
放置すれば親ロシアの極右あるいは極左の政党が政権を握り、大きな混乱を巻き起こしかねない。昨年のフランス大統領選は無事にしのいだが、安心はできない。アメリカ大統領選の二の舞を演じたくないということだ。
《一田 和樹》
関連記事
この記事の写真
/
関連リンク
特集
アクセスランキング
-
世界ではじめて脆弱性診断士資格「セキュリスト(SecuriST)」を作った三人の男PR
-
カプコンへのランサムウェア攻撃、新たに16,406人の情報流出を確認
-
神奈川県と富士通リースがHDD盗難のクリスマス和解 ~ 賠償 4,097 万円 再発防止策差し引き和解金 2,369 万円で合意
-
kintoneに連携「kMailer」で不具合、送信ログとして別顧客の情報が流出
-
ソフトバンク元社員 不正競争防止法違反容疑で逮捕、楽天モバイルに技術情報持ち出し疑い
-
#NoMoreFake 第3回「ファクトチェック」
-
マイクロソフトが1月のセキュリティ情報を公開、一部脆弱性については悪用の事実を確認済み
-
一体どうバランスを取るか? 高度なサイバー攻撃対策 & 日々のセキュリティ運用PR
-
東京海上日動と連携、Microsoft Azureの障害やサイバー攻撃を補償
-
IDC予測、2024年までのセキュリティ製品サービス市場規模