Microsoft版 2020年セキュリティ動向 総括 | ScanNetSecurity
2024.03.29(金)

Microsoft版 2020年セキュリティ動向 総括

日本マイクロソフト株式会社は12月21日、2020年のサイバーセキュリティの脅威の変化について発表した。

調査・レポート・白書・ガイドライン 調査・ホワイトペーパー
日本マイクロソフト株式会社は12月21日、2020年のサイバーセキュリティの脅威の変化について発表した。同社では最近のサイバー攻撃について、実質的にアメリカ合衆国や政府、セキュリティ企業などの重要組織を標的としていることを指摘し、サイバーセキュリティの状況が変化を続け、更に危険になることを示しているとしている。

同社では2020年は、3つの注目すべき動向によりサイバーセキュリティの脅威が大きく変化した年であったとして、一つ目に「国家レベルの攻撃の意思そして技術力が継続的により強固なものになってい」ることを挙げ、テクノロジ企業SolarWinds提供のネットワーク管理ソフトウェアに仕込まれたマルウェアによってサイバーセキュリティ企業 FireEyeが攻撃されたニュースでも明らかになり、その後、複数の米国政府機関に侵入が行われたこともニュースとなった。FireEyeのCEOKevin Mandia氏が最初の攻撃の公表後に「我々は今、最強の攻撃能力を持った国家による攻撃を受けている」と述べている。

同社では二つ目の動向として、PSOA(private sector offensive actor: 民間セクター攻撃主体)という略語で呼ばれるようにまでになった「新たな世代の民間企業、言わば21世紀の傭兵によるサイバーセキュリティ攻撃の民営化の進展」を挙げ、典型例の企業の1つとしてイスラエルに拠点を置くNSO GroupによるPegasusというアプリ開発と政府機関への販売を紹介している。

最後に三つ目の動向として「サイバー攻撃と COVID-19 による相乗効果」を挙げ、サイバー攻撃者は、病院、地方自治体、WHO(世界保健機構)などの公衆衛生当局に標的を定め、人類がワクチンの開発を進める中、同社のセキュリティチームは、3グループの国家レベル攻撃者が、COVID-19のワクチンと治療に直接的に関与する著名企業7社を標的にしたことを発見している。

同社では3つのトレンドを総括して、年初と比較してサイバーセキュリティの状況が悪化し、確固たる意思を持った国家レベルの攻撃者がより高度になっており、それらを幇助する民間企業の存在により、リスクは増加し、他の政府組織に広がりつつあるとし、「より強力かつ統制の取れた対応が必要」としている。

《ScanNetSecurity》

関連記事

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 富士通の複数の業務パソコンにマルウェア、個人情報を含むファイルを不正に持ち出せる状態に

    富士通の複数の業務パソコンにマルウェア、個人情報を含むファイルを不正に持ち出せる状態に

  2. ランサムウェアに身代金を支払う傾向の強い組織の構造が明らかに

    ランサムウェアに身代金を支払う傾向の強い組織の構造が明らかに

  3. プロ e スポーツ選手のアカウントにハッキング

    プロ e スポーツ選手のアカウントにハッキング

  4. 総務省「無線LANセキュリティガイドライン」更新、自宅と公衆に分冊

    総務省「無線LANセキュリティガイドライン」更新、自宅と公衆に分冊

  5. 日東製網へのランサムウェア攻撃、約 1 ヶ月で全システム復旧

    日東製網へのランサムウェア攻撃、約 1 ヶ月で全システム復旧

  6. 時給7,500円 ~ 総務省、非常勤サイバーセキュリティ人材募集 月2時間 霞が関勤務

    時給7,500円 ~ 総務省、非常勤サイバーセキュリティ人材募集 月2時間 霞が関勤務

  7. 脆弱性診断の新たな選択肢「ちょうどいいレベルの診断」を AeyeScan活用でサービス化 ~ NTTデータ先端技術

    脆弱性診断の新たな選択肢「ちょうどいいレベルの診断」を AeyeScan活用でサービス化 ~ NTTデータ先端技術PR

  8. 早稲田スポーツ新聞会のホームページがウイルス感染、意図せずファイルがダウンロードされる被害

    早稲田スポーツ新聞会のホームページがウイルス感染、意図せずファイルがダウンロードされる被害

  9. Meta 社へ申請するも復旧困難と判断、乗っ取り被害の「池袋エリアプラットフォーム」の Facebook ページ削除

    Meta 社へ申請するも復旧困難と判断、乗っ取り被害の「池袋エリアプラットフォーム」の Facebook ページ削除

  10. Jenkins に任意のファイルの読み取りが可能となるコマンドラインインターフェース機能におけるアクセス制御不備の脆弱性(Scan Tech Report)

    Jenkins に任意のファイルの読み取りが可能となるコマンドラインインターフェース機能におけるアクセス制御不備の脆弱性(Scan Tech Report)

ランキングをもっと見る