2020年のウイルス届出件数、前年から7割増となる449件、「Emotet」感染被害は39件に
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2月17日、2020年年間(1月~12月)における「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。
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2020年に寄せられたウイルス届出の年間件数は前年の259件から7割増となる449件で、このうちウイルス感染被害があった届出は62件であった。主なウイルス被害の内訳は「Emotet」感染被害39件、ランサムウェア感染被害11件となっている。月別でみると、9月がもっとも多く70件、被害件数も9月が19件で最多であった。2020年年間の検出数は979,439個で、前年の746,206個から約31.3%増加している。月別では、9月が突出して多かった。
ウイルス届出にみられた傾向として、2019年と同様に2020年は「Emotet」と呼ばれるウイルスの検知・感染被害の届出が年間を通じて寄せられ、特に9月は26件、10月は15件の届出があり、他の月に対して増加した。「Emotet」は2021年1月も検知・感染被害の届出が継続して寄せられていたが、欧州刑事警察機構(Europol)を中心とした活動により、攻撃基盤の停止に成功したと報道されている。
不正アクセス届出件数では、2020年の届出件数は前年の89件より98件多い187件で、このうち被害があったのは143件と全体の約76.5%を占めた。届出の種別では、「侵入行為」が280件、「なりすまし」が73件、「スパムメール」が27件となっている。被害内容別の届出件数について、「データの窃取、盗み見」が104件、「オンラインサービスの不正利用」が39件、「ファイルの書き換え」が39件となっている。被害があった届出のうち、原因が判明しているものは「設定不備」で32件、「古いバージョン、修正プログラム未導入など」が27件、「ログイン試行(パスワードリスト型攻撃)」が17件などとなっている。「不明」は27件あり、原因の特定に至らない事例も一定の割合を占めている。
《ScanNetSecurity》
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