英 Cyber Monitoring Centre(CMC)は、最近英国の大手小売業者の業務を麻痺させたサイバー攻撃による総損失額を、2 億 7,000 万から 4 億 4,000 万ポンド(編集部註:530 億から 870 億円)程度と見積もった。
今年 2 月に活動を開始した CMC は、サイバー攻撃の重大度の評価を行う非営利団体で、先般発生した英国全土の小売業者へのサイバー攻撃の深刻度を評価して「カテゴリー 2 」のシステミック・イベントと位置付けた。
今回攻撃の標的となったのは、英国の大手小売業マークス&スペンサー(Marks & Spencer:以下M&S)、消費者協同組合 The Co-operative Group(以下Co-op)、老舗高級百貨店ハロッズだ。ハロッズは、攻撃発生時にも旗艦店は営業を続け、オンライン販売も継続していたため、被害ははるかに少なかった可能性があると発表している。いずれにせよ、ハロッズについては、攻撃に関する情報が少なかったため、CMC のデータには含まれていない。
CMC の深刻度分類マトリックス「サイバーモニタリングマトリックス」では、サイバー被害によってシステミックリスクを引き起こす事象が、影響度が最も低い「カテゴリー 0」から最も高い「カテゴリー 5」までの 6 段階に分類されている。全体的な影響は、特定の攻撃によって影響を受けた人数と、経済的影響によって決定される。