雇用者に従業員の電子メールを監視する権限を与える(英国)
雇用者に従業員の電子メールおよびインターネット行為を監視する権限を与える法律が10月24日、英国で施行された。しかし一部の批評家はその新たに制定された法律に対し、調査権限規定法に基づく個人のプラバシーの侵害にあたるとして非難を表明している。
国際
海外情報
問題の法律は、コンピュータ・ウイルス感染防止や取引先に対する従業員の対応の監視、そして従業員がインターネットで有害コンテンツにアクセスしていないことを確認するため雇用者に従業員の通信を傍受する権利を認めるものだ。同法律の法案が英政府により提出された当初、業界は規制が厳しすぎるという理由で反発した。しかし圧力団体が議案の通過を求めて積極的に運動した結果、雇用者に当初の法案よりも大きな権限を与えることになった。
20名の従業員を抱えるArmstrong Communications社の社長Steve Donovan氏はインターネット行為を監視するソフトを使用しており、従業員もそのことを承知しているという。同氏は自分のビジネスを守る上で従業員のネット上の行為を把握するのは大事なことだと説明し「私は勤務時間の90%をPCの前で費やしているが、従業員をチェックしているわけではない。そんなことをしている暇はない。しかし、仮に従業員に関して何らかの問題が発生した場合、オンラインで彼らが何をしていたかを調べることができる。従業員を懲戒処分にする際、雇用者は全ての事実を知る必要があるのだ」と述べた。
英政府はこの法律を制定した目的について“企業が新しい通信手段を最大限に活用するため”と説明した。インターネット行為監視ソフトの市場規模は現在、数百万ポンドに達している。
《ScanNetSecurity》