Windows 95とWindows 2000
前回の記事の結論では「セキュリティ的観点から見ると、今問題なく運用されているWindows 95マシンを高価なWindows 2000に置き換える理由は特にない。」としたが、その解説には説明不足な点があり、また少々短絡的な結論であった。そこで今回は前回記事に足らなかった
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[シングルユーザOSのWindows 95]
Windows 95やその後継OSはマシンのユーザが一人だけであることを前提に作られている。複数のユーザが一台のWindows 95マシンを使うことは可能だが、そのような使用状況の場合のセキュリティについては全く考慮されていない。
Windows 95の起動時にはユーザIDとパスワードを入力する。しかしそのマシンのファイルについてID毎、あるいはグループ毎に権限を設定できるわけではない。さらに、ログイン手続きはキャンセルしてもそのマシンは自由に使用できる。
従って複数のユーザが入り乱れて一つのマシンを使用する環境では、誰かが他人のファイルを間違って消去したり、不正に改竄したりする可能性がある。
さらにそれを誰がやったのかという痕跡は全く残らない。システム関係の設定やファイルでさえ勝手に変更されることを防御できず、またその事実が発生したことをすぐに知ることも難しい。
様々なネットワークソフトにはIDとパスワードを保存する機能がついているが、それらのデータは例え暗号化して保存してあっても同一マシンを使う他のユーザからその内容を知られることを防げない。もちろんWindows 95標準のファイル共有機能のパスワードが保存されている場合にも、そのパスワードは盗むことが可能だ。特にパスワードがアスタリスク(*印)でマスクされている状態の入力ダイヤログが他人に簡単に出せる場合は、Reverationなどの簡単なツールでそのマスクした内容を知ることができる[1]。
移動プロファイルとシステムポリシーによって、レジストリを含めた
Windows 95マシンのシステム設定とユーザの個人情報はサーバで集中管理できる。これによってユーザのシステムファイルへのアクセス制限などができるが、このやり方は必ずしも強固な管理方法ではない。該当Windowsマシンを悪意あるユーザが勝手にシステムポリシーを変更し、移動プロファイルを使わないようにすることも可能なのだ。
従ってもしも現状で複数のユーザが一台のマシンを使用している状況であれば、Windows 95を使うべきではない。できるだけ早く複数ユーザの使用を前提に設計されているWindows 2000に移行すべきである。
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http://www.office.ac/
[1] http://www.snadboy.com/
詳しくはhttp://vagabond.co.jp/c2/scan/index.htmをご覧ください
《ScanNetSecurity》