サイバー空間は依然として中東危機に対して沈黙

◆概要：
　2002年4月11日現在、現在の中東危機の物理的な脅威に伴うサイバー攻撃はほとんど行われていない。現在確認されている例外の1つが最近非常に悪意のあるペイロードを持つMyLife.Gワームである（ID# 108602, April 11, 2002）。このワームはイスラエルのアリエル・シャロン首相の風刺画を含む強い反イスラエルのメッセージを伝えている。
　iDEFENSE情報局はこのMyLifeワームの亜種が考え抜かれた政治的メッセージを伝えているのか、それとも単なるいたずらなのかは確認していない。

　イスラエルの国別ドメインを持つサイト（.il）に対する反イスラエル派による改ざんはごくわずかである。今年に入ってから30件しか発生しておらず、4月11日現在、4月の改ざん件数はわずか7件であった。イスラエルやイスラエルのヨルダン川西岸地区にあるパレスチナ自治区への侵攻に対する最近の自爆テロに伴うサイバー活動は確認されていない。

　このような状況において、Egyptian|Fighterという名前のハクティビストグループまたは個人が最も活発にウェブ改ざんを行っている。Egyptian|Fighterは2002年4月に7件のウェブ改ざん（大半はイスラエルの.ilサイトに対するもの）に関わっていると考えられており、2002年全体では24件のウェブ改ざんに関わっている（2001年の5件から増加）。Egyptian|Fighterは反イスラエル、反インド強硬派である。Egyptian|Fighterはまた親イラク、親カシミール、親チェチニア派である。現在の中東危機以前のメッセージはウェブ改ざん者の典型的なものである。

Egyptian|Fighter Anti-Israeli and Related Defacement Messages
・ Stop killing the Palestanian pepole ~!
・ Egyptian|Fighter likes to f**k the israeli sites!
・ You Will Pay for Every Single Arab you have killed
・ Big f**kz to Israel, India, Areil Sharon, G.W. Bush, Hosny Mubarak and Osama Hassan!!
・ Free Palestine
・ Free Kasmier
・ and save the Iraqi ppl

　客観的な証拠があるわけではないが、Egyptian|Fighterの陰にいるグループ、または個人においてはネイティブの英語力はなく、エジプト国民だと思われる。また、Egyptian|Fighterはエジプト、チュニジア、ヨルダン、サウジアラビアのアラブ政府を非難している。

◆情報ソース：
・ Alldas.de
( http://defaced.alldas.de/mirror/2002/01/24/www.nanonics.co.il ), Jan. 24,2002
・ Alldas.de ( http://defaced.alldas.de/?attacker=Egyptian+Fighter ), Jan.31, 2002
・ Alldas.org ( http://www.alldas.org ), April 11, 2002
・ Alldas.org ( http://defaced.alldas.org ), April 11, 2002
・ iDEFENSE Intelligence Operations, April 11, 2002

◆分析：
　（iDEFENSE米国）MyLife.Gワーム、Egyptian|Fighterによるウェブ改ざんは進行中の大規模なサイバーキャンペーンを立証するものではない。しかしながら状況が変わる可能性がある。iDEFENSEは引き続き新たな大規模な展開がないか状況をつぶさに監視していく方向である。

※この情報はアイ・ディフェンス・ジャパン
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　情報の内容は以下の時点におけるものです。
　【18:43 GMT、04、11、2002】