【無料ツールで作るセキュアな環境(73)】〜 FreeS/WAN 4 〜(執筆:office)
Linux用IPSecツール、FreeS/WAN [1]の設定について、前回まで/etc/ipsec.conf の記述方法について説明してきた。今回は、認証に関する部分とファイアウォールの設定について補足しておきたい。
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[RSA認証]
前回説明したのはRSA認証方式を用いた場合の設定である。RSA認証はご存じのように、公開鍵と秘密鍵を使う公開鍵方式の認証であるが、この鍵対は、FreeS/WANを普通にインストールすれば、ipsec.secrets に既に作られている。このipsec.secrets の中から #pubkey= の右辺に記述されている公開鍵の部分をコピーして、前回説明したように、/etc/ipsec.conf の rightrsasigkeyや、leftrsasigkeyの部分に記述すればよい。
改めて鍵対を作成したい場合には、
# ipsec newhostkey > /etc/ipsec.secrets
とすればよい。作った /etc/ipsec.secrets には秘密鍵の情報が含まれているので、アクセス権限を含めて厳重に管理しなければならない。
# chmod 600 /etc/ipsec.secrets
としておく必要がある。
[pre-shared keys方式]
RSA認証の代わりに、pre-shared keys 方式を用いることもできる。事前共有鍵方式などと訳されることもあるが、要するに、最も古典的な、予め定めた合い言葉を元に認証を行う方式である。手軽に用いることができ、また暗号、復号に要するマシン負荷も少ない。
秘密鍵となる文字列は自由に任意に決めることができる。RSA鍵と違って、記憶しやすい文字列を使うことも可能だ。しかし、辞書攻撃などでパスワードを見つけ出されてしまう危険性もあるので、十分長くて予測不可能なパスフレーズを用いるようにしたい。
設定記述も単純に行える。/etc/ipsec.conf の conn %default セクションなどでの記述に authby=rsasig といった RSA認証指定がなければ、自動的にpre-shared keysによる認証と見なされる。
秘密鍵はRSA方式の場合と同様、etc/ipsec.secrets に保存する。etc/ipsec.secrets の記述例は
10.0.0.1 11.0.0.1 : PSK "secretkey_1234567890......"
となる。まず最初に記述されるのはこの鍵を利用して認証し合うホストのIPアドレスである。ここに書くホストの数は2つ以上自由である。
コロンの後にある PSK は Pre-Shared Keys の頭文字で、この後に秘密鍵が続くことを示す。秘密鍵は2つの " の間に記述する。秘密鍵に用いる文字としてスペースを使うことも許されるようだ。
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office@ukky.net
http://www.office.ac/
[1] http://www.freeswan.org/index.html
(詳しくはScan本誌をご覧ください)
http://shop.vagabond.co.jp/m-ssw01.shtml
《ScanNetSecurity》