注目を集める"Webアプリケーションのセキュリティ対策"
〜RSA Conference 2003 Japan クラストラックセッションレポート〜
特集
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インターネットが社会に普及した理由は様々であるが、そのきっかけのひとつは間違いなくWebサービスの存在である。数年前は「インターネット=ホームページ」といった認識をしていた人が少なくなかった。また、現在でもインターネットの利用目的の大部分はWebサービスとEmailサービスといった方がほとんどであろう。
Webサービスが普及した理由も様々であるが、基本的には以下の2点が主な理由であろう。
・Webブラウザの存在
誰でも簡単にサービスを利用することができるGUIの存在がなければ、ここまでWebサービスは普及しなかったと断言できる。また、基本的に無料で使用できるということも重要な要素だと言える。
・サービス提供の容易さ
Webサーバは他のサーバと比較すると構築は非常に簡単である。また、コンテンツを提供するためのHTML言語も他の言語と比較すると非常に簡単な言語である。サービス提供をするために必要なものは、各種パッケージやツール、サービスなどで提供され、こちらもほぼ誰にでも簡単に利用できると言えるだろう。
しかし、サービスが普及すればそれを狙った不正行為が発生し、その対策を講じなければならない。一般的に実施されている対策は以下の3点が主なものであろう。
・ファイアウォールの設置
「WebサーバにはHTTPとHTTPSだけを許可する」というのが基本である。しかし、CodeRedなど許可された通信を使用した不正行為によりファイアウォールの設置だけでは完璧ではないことが証明された。現在のファイアウォール製品はCodeRedなどにも対応しているが、次の新しい考え方の不正行為が発生した場合はCodeRed発生時と同様の結果になるであろう。
・暗号化通信
Webサービスにて機密情報を送受信する場合はSSLを使用した暗号化通信が使用される。現在では、ほとんどの商用サイトに実装されており、いわゆる一般層でも暗号化されているかどうかに気を配るようになってきている。しかし、暗号化通信されていれば安全なわけではなく、その暗号化通信後に保存された機密情報がどのように管理されているかが問題になる。例えば、入力した個人情報がWebサーバの公開ディレクトリ内にmoushikomi.txtといったファイル名で保存されているかもしれない。他にも様々な問題が考えられるがいずれにしても「暗号化=安全」という認識では不十分である。
・Webサーバの管理
OSやサーバのバージョンアップ作業、パッチの適用、適切な設定の実施など日々発見される新しい脆弱性などに対処するためには適切な管理体制が必要である。しかし、実際にその作業が適切に実施されているとは言えない。
参考記事:【国内co.jpドメイン調査】
https://www.netsecurity.ne.jp/article/1/9927.html
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