Ballmer 氏、MS 新セキュリティ対策を発表
John Lettice
2003年10月9日 17:16 GMT
国際
海外情報
2003年10月9日 17:16 GMT
数週間前、Microsoft 社は繰り返し損害をもたらす攻撃に直面し、"パッチをやみくもにリリース" するセキュリティ対策は失敗だったことを暗に認め、そして "境界の安全性確保" を目指すと述べた。しかし、Microsoft 社はどのような経緯でその新たなセキュリティ方針に至ったのか? 境界の安全性確保は、困難なことだ。従って、今日発表された同社の "新規セキュリティ方針" の中でパッチ管理を最優先事項に挙げたのは、そう驚くことではない。
その声明文は10月9日、ニューオリンズで開催されたイベント、Worldwide Partner Conference で Microsoft 社の CEO Steve Ballmer 氏により発表された。その内容は大きく 3 つのカテゴリに分類される。その引用を以下に記す。
- パッチ管理のプロセス、ポリシーそして技術を向上させ、顧客のソフトを最新版の状態にし安全化を図る
- グローバルな教育プログラムを展開し、システムの安全性の確保を目指してより優れた指針およびツールを提供する
- 新しく且つ安全な技術で Microsoft Windows XP と Windows Server 2003 のアップデート実施する。それにより、仮にパッチがなくても、あるいはインストールされていなくても、従来よりは攻撃に耐え得る Windows になるだろう
2 番目の項目に関しては目新しさがないように思える。ユーザが知らないとしたら、また学習する意思がないとしたら、これは意味がないことで、体面上の施策と思われる。だが、その項目から違う意味合いも読み取ることができる。Steve 氏のスピーチ原稿の全文は近々、公開されるだろう。
また『パッチ・インストールの向上』という小見出しのあるページは、カミカゼのような使命すら感じる。これは、パッチ管理の簡素化、『新しいパッチ配布方法』の導入、そして月に一度、パッチをリリースするとしている。つまり、パッチは依然として必須だが(セキュリティホールがまた直ぐにでも発生した場合)、Microsoft 社はその管理の改善を試みようとしている。
だが、その具体的な管理方法については抜け落ちている。仮に、Microsoft 社のアップデート・システムが厳密に優れたものではないとしても、そして大幅な改善の余地があるにしてもだ。そして、ワームは毎月の定期的なリリース・スケジュールでは対応できないだろう。対応できない場合、一般のユーザは激怒すると思われる。そして、慌ててパッチをリリースすることになるのだ。それらの一部は機能しないか、あるいは事態をさらに悪化させることになる。つまり、状態は何も変わらないということか? 業務市場において、Microsoft 社は 2004年前半に Software Update Services 2.0 をリリースし、『シームレスなパッチ、Windows、SQL Server、Office、Exchange Server そして Visio 用のスキャンおよびインストール』を提供する予定だと説明している。しかし、それではまだ説明不十分だ。
[情報提供:The Register]
http://www.theregister.co.uk/
[翻訳:関谷 麻美]
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