ダイレクトマーケティングの「常識」YES/NOクイズ■第9回■
■今回のテーマは「割賦販売法」「消費者契約法」「電子消費者契約法」および「金融商品販売法」
設問6〜10 解答および正解集計結果
特集
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設問6〜10 解答および正解集計結果
前回に引き続き、第3回クイズの後半部分の消費者契約法と関連法について正解と解説を行う。
後半の中では、問8消費者契約法の無効条項に関する問題の正解率が61.9%と一番低かったようなので解説をよく読んで正しく理解して欲しい。
また、今後とも消費者契約法は消費者として関係する機会も多いと思われるが、一方事業者として関与する場合も考えられるので、消費者契約法の要点を押えるためにもメールマガジンの再読をお勧めする。
【設問6】
『消費者契約法は、事業者と消費者との間の契約以外にも、消費者と消費者との間の契約にも適用される。』
YES or NO?
■ 正 解:NO
■ 正解率:66.6%
これは基本的な問題であるが、意外にも正解率は低かったようだ。消費者契約法の対象はあくまで消費者と事業者間のすべての契約であり、消費者間は対象外であることを再確認して欲しい。
消費者契約法は、消費者と事業者間の「情報の質や量、交渉力の格差」を是正し、事業者に比べ弱い立場にある消費者の利益擁護、紛争の公正かつ円滑な解決を目的として制定され、その適用範囲は、消費者と事業者間すべての契約となっている。
消費者は、サラリーマンや学生、家事労働者などのいわゆる一般消費者であり、事業者は、株式会社や有限会社などの営利企業のみならず、病院や学校、国、地方公共団体などの非営利団体のほか、個人事業者、弁護士なども含まれる。
このように、消費者契約法は、広範囲に消費者との契約全般をカバーし、企業の事業活動とも密接な関連をもっている。
また、消費者契約法では、事業者の努力として「契約の条項を定めるにあたっては、消費者の権利義務その他の契約内容が消費者にとって明確かつ平易なものになるよう配慮すること」「勧誘に際しては、消費者の理解を深めるために、消費者の権利義務等について必要な情報を提供すること」が謳われており、その一方で、消費者の努力として「契約の締結に際しては、事業者から提供された情報を活用して、消費者の権利義務その他の契約内容を理解すること」が求められている。事業者は、これらの趣旨を十分に理解した上で事業活動を行わなければならないのである。
【設問7】
『事業者の不適切な勧誘により、消費者(顧客)が誤認して契約したときは、契約を取り消すことができる。』
YES or NO?
■ 正 解:YES
■ 正解率:95.2%
これも基本的な問題である。間違ってしまった方は十分注意して欲しい。
本問は、消費者契約法のポイントの1つである「不適切な勧誘による契約の取消し」に関するものである。
不適切な勧誘は、(1)重要事項の不実告知、(2)断定的判断の提供、(3)重要事項の不告知、(4)不退去、(5)監禁(退去妨害)の5つである。これらは是非とも覚えておいて欲しい。
そして、契約を取消すことができる期間は、顧客が追認できるとき(誤認に気付いたとき又は困惑状態から脱したとき)から6ヶ月以内又は契約時から5年以内と比較的長期にわたって顧客の取消権が認められている。
顧客からの契約の取消しは、契約してから数ヶ月又は数年後に突然ハガキが送られるなどして主張されるケースが多い。
具体的には、不実告知の場合「商品の購入時に販売員から●●と言われて買ったが、実際に使用してみたら違うので契約を取消す」ということが想定される。これは「言った」「言わない」の水掛け論に発展するケースが少なからずあり、確かに、不実告知などの不適切な勧誘があったことの証明は顧客が行わなければならないのだが、事業者も既に契約当時の資料がなく、事実関係を把握できない場合など、事業者に不適切な勧誘がなかったと言い切れない場合には、実務上一定の譲歩をせざるを得ないケースも想定される。
そのため、事業者で不適切な勧誘がなかったことを主張できるようにするためにも、例えば販売マニュアルの整備や資料の保存年限等についての対応も検討すべきではないか。
注)当クイズの正解は、2004年7月1日時点でのものです。
この記事には続きがあります。
全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_netsec
《ScanNetSecurity》