利用者から見た電子自治体、電子政府(20) 〜受付システム | ScanNetSecurity
2024.05.03(金)

利用者から見た電子自治体、電子政府(20) 〜受付システム

●受付システム 発展系はコミュニティか?

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●受付システム 発展系はコミュニティか?

 今回は、受付システムのキーワードで、電子自治体、電子政府のあり方、課題を述べる。

 情報システムの発展は、大雑把に言って、情報を一方的に提供する仕組みから、利用者が能動的に関わる仕組みへと向かうとされている。インターネットの歴史を見れば、単なる情報提供からデータの検索、検索されたデータをもとに、予約、申込みという発展をしてきている。この先には何があるのだろう。コミュニティが次にくるとして、コミュニティシステムが、もてはやされたことがある。しかし、単なる掲示板をつくるだけでは、何か価値を創造できるわけではない。それに、掲示板を盛り上げることだけでも結構大変である。そして、盛り上げたところでそれがどんな価値を生み出すかというとまたハードルがある。

 コミュニティサイト構築ツールであるXOOPSでも数千の盛んな会員を誇っているサイトがいくつかあるが、ボランティアベースに近いものもたくさんある(XOOPS会員数ランキングで検索するといくつを見ることができる。URLは、 http://xoops.sourceforge.jp/wiki/free/index?ETC%2FXOOPS%B2%F1%B0%F7%BF%F4%A5%E9%A5%F3%A5%AD%A5%F3%A5%B0 と長いので検索エンジンを引いたほうが早い)。

 ここにあがっているコミュニティは、登録が簡単なオープンなコミュニティシステムである。XOOPSの事例で見てみると、各種公共的な団体、自治体、政府が使う場合には、メンバー管理がされることを前提とした会員管理システム(造語するなら、MMC Member Mnagement System)とでも言うべきものである。

 事例としては、街元気( http://www.machigenki.jp )がある。内容は、「街元気プロジェクトは、戦略的な街づくり活性化活動をリードする『街元気リーダー』育成のために、全国どこからでも受講可能なeラーニング講習、既に『街元気リーダー』が存在する地域での現地実習、街づくりに関する情報提供、遠隔地の商業者同士が意見交換できるネットコミュニティの形成により、中心市街地活性化事業を推進いたします。」であり、きちんと受付をして、本人確認してeラーニング講習を提供する。

 公共的な団体としては、日本青年会議所( http://www.jaycee.or.jp/ )の例がある。会員数は約4万2000人である。こういった会員システムは、実は意見を集めるための仕組みとして非常に効率的に機能する。インターネット上だから簡単にアンケートも取れるし、そして会員の全数調査になり、価値の高い意見集約になる。この意見集約については次回にまわすことして、一歩戻り、予約のレベルの受付システムから見てみよう。


●受付システム まずは、図書館の予約から

 利用頻度の多い、電子自治体、電子政府のサービスである図書館のサービスを見てみよう。

 インターネット上から本の予約ができるようになった図書館が最近増えてきている。大阪市立図書館( http://www.oml.city.osaka.jp/riyou/yoyaku.html )の例を見てみると、通常の紙ベースの予約、館内の端末を使った予約、インターネット経由の予約になっている。従来の紙ベースの予約ももちろん残っている。単純にサービスの提供という観点からいけば、インターネットを使う分、かかる費用が増えているとも言える。インターネットを使うことにより図書館の行政的な価値があがることが重要なはずだ。ただ、現時点ではまだそこまで厳密な行政のパフォーマンス評価はされていない。


【執筆:武井明】

(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec

《ScanNetSecurity》

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