中国における営業秘密管理(2) | ScanNetSecurity
2026.06.03(水)

中国における営業秘密管理(2)

監査法人トーマツ(デロイト トウシュ トーマツ 上海事務所)
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─ 目次 ──────────────────
 -前編(全回掲載)-
1.「日本経済の中国経済への依存の高まり」
2.「中国マーケットでの競争」
3.「競争に勝ち抜くために」
4.「知的財産と知的財産権」
5.「知的財産戦略大綱における知的財産の保護」

 -中編(今回掲載)-
6.営業秘密の保護の必要性
7.営業秘密の保護とは何か
8.営業秘密保護の取り組み
──────────────────────


6.営業秘密の保護の必要性

 では、営業秘密の保護はどのような場面で必要になってくるか考えたい。
 まず、企業それぞれの知財戦略に沿って、企業が技術情報やノウハウを創造した後は、工業所有権として権利化して保護するか、営業秘密として保護するかを判断する必要がある。ここで工業所有権として保護しないのであれば、その知的財産は営業秘密として保護していく必要がある。さらに、工業所有権として保護するという意思決定があっても、工業所有権として権利化するまでの間は、これまた営業秘密として保護する必要がある。ちなみに、中国において発明または創造された知的財産を特許として権利化する場合は、日本など外国で特許を出願する前に、まず中国の特許局に出願しなければならず、この出願から権利化が認められるまで数年かかると言われている。ということは、知的財産「権」として保護していく活動の前に、数年間は、営業秘密の保護活動が必要となってくる。


7.営業秘密の保護とは何か

 日本の不正競争防止法(平成5年5月19日法律第47号)では、「営業秘密」を以下のように定義している。

 第2条第4項 この法律において「営業秘密」とは、[秘密として管理されている]生産方法、販売方法その他の事業活動に[有用な技術上又は営業上の情報]であって、[公然と知られていないもの]をいう。
([ ]書きは筆者による。また、読みやすくするため、原文と異なるが明確に「第4項」と付記した。)

 日本の不正競争防止法では、誰かが営業秘密を不正競争の目的で使用、または開示した場合に、その者を告訴すると、その者が刑事罰を受ける可能性があることが定められている。また、当該行為による営業上の利益侵害によって生じた損害額と、侵害行為の立証をすると、差止請求や損害賠償請求等が認められる。

 実は、中国においても、この日本の不正競争防止法にあたる法律「反不正当競争法」が存在し、営業秘密(中国では商業秘密という)の保護が取り決められている。日本と中国はWTO・TRIPS協定(世界貿易機関・知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)で定義される営業秘密の定義を踏襲しているので、この反不正当競争法における営業秘密(商業秘密)の定義も日本の不正競争防止法のそれと同様である。

 中国の場合、日本と異なり、退職者であっても、秘密保持契約に反して営業秘密を他社に漏示して対価を得る行為(又はこれをそそのかす行為)は、処罰の対象となる。(現在日本でも検討中である。)この点では日本より厳しい法整備がされているといえる。

 ただし、注意が必要なのは、これらの法律での保護対象となっているのは「営業秘密(商業秘密)」である。ということは、この「営業秘密(商業秘密)」とはなにか、どのような要件を満たせば「営業秘密(商業秘密)」であると言えるのか、を確認しておく必要があろう。


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全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
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