特に厳しい管理が求められる医療機関での情報管理(2) | ScanNetSecurity
2026.02.02(月)

特に厳しい管理が求められる医療機関での情報管理(2)

●医療機関に大きな影響を与えたHIPAA

特集 特集
●医療機関に大きな影響を与えたHIPAA

米国では特に医療機関で個人情報保護するための法律が、連邦政府で制定されている。そもそも、このHIPAAとは何だろう。正式名称は医療保険の携行性と責任に関する法律(The Health Insurance Portability and Accountability Act)で1996年に可決されたが、発効は2003年4月。医療情報の電子化の推進とそれにまつわるプライバシー保護、セキュリティ確保について定めた。

実は当初の目的は、団体医療保険に加入している雇用者が転職するなどで、雇用主を変更した場合、既存の条件の権利放棄を得られるようにするものだった。それが、発効までの間に法解釈がどんどん変わり、医療機関はプライバシーの権利と医療情報のセキュリティを守るという内容も追加された。例えば、セキュリティセーフガードの実装を命じた項目もあり、米国内外で医療機関などに大きな影響を与えている。

HIPAAで定義されている保護すべき情報は、個人の特定が可能な情報だ。医療機関は
  ・情報の完全・機密性の確保
  ・情報のセキュリティおよび完全性に対する脅威や危険への対策
  ・情報の認可されていない使用や開示などに対し、妥当かつ適切な管理上、技術上、および物理的な保護対策の維持
が求められる。そのため、具体的に
  ・病院等でプライバシー保護の方針を定める
  ・従業員にその方針を教育
  ・徹底を目指して、全体を監視する担当者を定める
というものだ。

読んだ限りでは常識的なものだが、法定化、そして違反の場合は罰金を課すことになったため、医療機関側にとっては非常にコストのかかるものになった。厳しく明確に規定されたことで、医療機関では担当者を新たに雇用したり、社外のサービスを利用する必要があったためだ。今回紹介したコンピュータ盗難や内部犯による情報盗難はHIPAAの違反などとは解釈されていない。

●ブログに個人情報をポスティング

これは3月11日、米国カイザー・パーマネンテの元社員が、ブログに140名の患者の極秘情報を発表したとして、通知を行ったことを『Mercury News』が報道したものだ。

ブログに掲載した女性は、安全でないウェブサイトに患者の情報をカイザーがポスティングしたと『Mercury News』に語っている。「カイザーに(連絡をして)注意を促した」が放置されていたので、さらに「(社会に事実を知ってもらうために)ブログとして出すことにより、誰もがこの情報にアクセスできるということを指摘した。(警告を無視して、カイザーは情報を)1年以上にわたり、インターネット上に放置した」というのだ。また、市民権局(Office of Civil Rights)にセキュリティ違反だと通報したという。

【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】

──
この記事には続きがあります。
全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_ssmd

《ScanNetSecurity》

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. “我々はもはやサイバーセキュリティの仕事をしているのではない”

    “我々はもはやサイバーセキュリティの仕事をしているのではない”

  2. 通行中の市民がごみステーションで生活保護受給者の申請書を発見

    通行中の市民がごみステーションで生活保護受給者の申請書を発見

  3. 企業が導入検討するも利用しなかったアプリに外部から不正アクセス、顧客の氏名と電話番号が流出

    企業が導入検討するも利用しなかったアプリに外部から不正アクセス、顧客の氏名と電話番号が流出

  4. 笹だんご「田中屋本店」に不正アクセス 677 名のカード情報が漏えい

    笹だんご「田中屋本店」に不正アクセス 677 名のカード情報が漏えい

  5. エフエム東京へのサイバー攻撃を指摘する SNS 投稿、何らかの原因で統計分析用のデータの一部が流出した事実はあるが機密性の高い情報は含まれず

    エフエム東京へのサイバー攻撃を指摘する SNS 投稿、何らかの原因で統計分析用のデータの一部が流出した事実はあるが機密性の高い情報は含まれず

ランキングをもっと見る
PageTop