携帯ウイルスの危険性とその対応を探る 「第2回」
昨年(2004年)の半ば頃に初の携帯ウイルス「Cavir」が登場して以来、多くの携帯ウイルスが登場してきている。ここでは主な携帯ウイルスの傾向と特徴、キヤリアなどメーカーの携帯ウイルスへの対応を3回に分けて連載で紹介していく。今回は2回目ということで、前回に引き
特集
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●現在までの主な携帯マルウェアの傾向と特徴 その2
・Commwarrior
シンビアンOSの「シリーズ60」対応のワームで、BluetoothおよびMMS(マルチメディアメッセージング)で拡散する。国内でMMSに対応しているのはボーダフォンの携帯電話である。
Cabir同様、感染するとまず近隣のBluetoothデバイスを検索して、感染SISファイルを転送する。Comwarriorの送信するファイルのファイル名は、ランダムに変更される。そのため、ファイル名から感染を回避するのが難しい。
MMSメールでの拡散時は、感染した携帯のアドレス帳からメールアドレスを探し、感染SISファイルを転送する。この添付ファイルは、画像やビデオ、オーディオファイルであるかのように表示されるが、これにはComwworirのインストーラが含まれている。
最近のCommwarrior.Cでは感染経路にMMCが追加されている。これはセットされたMMCカードにCommwarrir.Cをコピーし、それを差し込んだ電話に感染行動をとる。また、SMS(ショートメッセージ)を受信したとき、その発信アドレスに向けて、Commwarrior.Cが含まれたMMSメールを送信するなど、より感染力を強めたものとなっている。
http://www.f-secure.com/v-descs/commwarrior.shtml
http://www.f-secure.com/v-descs/commwarrior_c.shtml
・DoomBoot
シンビアンOSのノキアシリーズ60をターゲットにしたトロイの木馬。DoomBoot.AはCabir以降のトロイの木馬がCabirを生成して感染を広げるものが多いのに対し、Comwwarior.Bを配信するという特徴を持っている。MMSプラスBluetoothにより、その感染範囲は飛躍的に広くなることになる。
Doomboot.AはシンビアンOS対応のDoom2のクラックバージョンを装っている。ユーザーがこれをインストールしても、なんらメッセージが表示されたり、アイコンが変わったりすることがない。そして、Comwworior.Bは、プロセスリストに表示されない。そのため、ユーザーは感染に気がつくことなく、Blutoothによる配信で1時間程度でバッテリが切れてしまうことになる。
【執筆:一条真人 http://www009.upp.so-net.ne.jp/showkun/ 】
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(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec
《ScanNetSecurity》