日本セキュリティ市場へ本格進出−セキュアイドットコムの次世代型UTMの国内戦略(1)日本の中小企業市場戦略のカギ
ウイルスやフィッシング詐欺、Winnyなどさまざまな脅威が中小企業を取り巻いているが、対策は後手に回っている。実際目に見える被害が発生しないと実感が湧かないこと、総合的な対策を取るには高価な機器を導入する必要があること、対策を取ろうにもどのような方策が適切
特集
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このたびSCAN編集部は、サムスングループの情報セキュリティシステム開発会社、セキュアイドットコムの日本における総販売代理店契約を締結し、情報セキュリティシステム分野の中堅・中小企業マーケットに新たに参入した株式会社ジー・エフを訪ね、同社が取り扱う中小企業向けのトータルソリューション NXG シリーズの販売などを担うITソリューション事業部 事業部長の松浦歳宣さんに、中堅・中小企業へのセキュリティソリューション販売戦略やサムスングループが日本市場を重視する背景などを聞いた。
株式会社ジー・エフ
http://www.gf-net.co.jp/
NXGシリーズ
http://www.gfblog.jp/nxg.html
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編集部:
株式会社ジー・エフは、韓国サムスングループの情報セキュリティシステム開発会社、セキュアイドットコムと2006年7月31日に提携しましたが、まずはその経緯を教えてください。
松浦:
ジー・エフは、人間に変わってパソコンが自動的に電話をかけ、あらかじめ録音しておいた肉声データを流す「オートコール」システムを事業の主力としています。
コールセンターシステムは、人海戦術で行うテレマーケティングサービスや、沖電気さんや富士通さんなどが提供する大型のコンタクトセンターなどがありますが、アウトバウンド(発信業務)でかつ中堅・中小企業が安価に導入できるシステムは今までありませんでした。その市場に着目し、独自にサービスを開発しました。
現在約2,500社に導入いただいておりますが、そのうち約80%が中堅・中小企業です。
これら中堅・中小企業にも今後セキュリティ対策が必須になっていきますが、一方で現在市場に出ている既存の製品ラインナップでは、中堅・中小企業に適した商品は非常に少ないと感じています。
そこで、オートコール同様、我々がセキュリティ対策の面でもお手伝いできることがあるのではないかと考え、さまざまな製品を検討した結果、セキュアイドットコムの「NXGシリーズ」を新たに提供することとしました。
編集部:
中堅・中小企業では、セキュリティ対策といえばアンチウイルスなどの最低限のものでも支障はないように思えますが、必要性に迫られることはあるのでしょうか。
松浦:
大手企業とのアライアンスで事業を進めるような場合、大手企業からプライバシーポリシーなどを求められる機会は増加しており、取引先や元請けへの信頼を勝ち取るためにも必須となるでしょう。
編集部:
中堅・中小企業に製品が普及していくための鍵はどのあたりにあるとお考えですか。
松浦:
セキュリティはどうしても後ろ向きの投資と捉えられることが多く、「儲けにならない」という顧客の考えをどう切り返していくかが重要です。
中堅・中小企業への販売は、GFのオートコールユーザ企業へご紹介してゆきます。
>>中堅・中小企業への販売戦略
松浦:ユーザー企業に対しては、毎月配布している冊子「GF News」の2006年8月号から告知をスタートさせました。
統合セキュリティソリューション製品では、数値スペックなど微に入り細をうがった項目も取り上げようとすれば取り上げられますが、ターゲットとしている中堅・中小企業に対して最初からそのような細かな数字の羅列を見せてしまうと一気に関心が冷めてしまいます。
そこで、導入によってどのようなことが実現できるのか、端的に分かりやすい記事を掲載しました。
編集部:
告知後の反響はいかがですか。
松浦:
さっそく「設定は難しくないのか?」「取り付けなどはしてくれるのか?」といったお問い合わせをいただいています。
今後は中堅・中小企業でもご理解いただけるカタログ等を用いて普及・浸透を図り、興味をもたれた方にはセミナーなどを通じて詳細をお伝えしていきます。これはオートコールシステムの販売でも行ってきた手法です。
編集部:
数ある統合セキュリティソリューション製品の中で、取り扱う製品をNXGシリーズにされたのはなぜですか。
松浦:
セキュアイドットコムはサムスンの情報開発部門が独立してできた会社なので、特に韓国では一般企業に加え公共機関、金融、通信、軍事などあらゆる部門で採用が進んでいます。
世界的に見て多数の導入実績があるので信頼性は折り紙付きですが、日本には本格進出しておらず、今回アライアンスを組みました。
あわせて、NXGシリーズはセキュアイドットコムが独自開発した技術が数多く採用されており、日本国内では後発となりますが十分アドバンテージがあると考えたからです。
《ScanNetSecurity》