リンク構造解析から有害サイトを判断する研究を開始(トレンドマイクロ、東京大学)
トレンドマイクロ株式会社と国立大学法人東京大学は1月28日、同学産学連携プラザで、共同研究「Webリンク構造の解析」の成果発表を行った。
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近年ウイルスやマルウェアは、従来多かった電子メールによる感染から、Webサイトの閲覧による感染に大きく変化している。しかし、300億を超えるといわれる、日々更新される莫大なWebサイトを、目視による確認や、サイトに記載されているテキストの分析によって有害かどうか判断するというこれまで実施されてきた方法には限界も出ていた。
今回発表された、トレンドマイクロと東京大学の研究は、アダルトやカルトなどのカテゴリを含む38カテゴリに基づいて、対象のサイトに対してリンクを張っている別のサイトや、逆に対象のサイトが外部に対して張っているサイトを分析した結果だ。たとえば、アダルトサイトにリンクを張って、他のアダルトサイトからもリンクを張られているような対象サイトがあった場合、中身を目視せずとも、アダルトサイトである可能性が高い。
大手サーチエンジンが検索結果表示の際、良質なサイトの判断基準のひとつとして、リンク構造の解析を行っていることは広く知られているが、同研究は、そのセキュリティ版ともいえる。この研究が応用され実用化されれば、対象サイトが有害かどうかを判断するための、言語やコミュニティの文脈から自由な、新しい分類法が誕生することになる。たとえば、リンク構造の解析によって、改ざんやクラックを察知する、といった応用も可能だという。また、Webサイトの安全性を評価する、ブラウザのプラグインの提供なども検討されている。
トレンドマイクロ株式会社 CEO のエバ・チェンは、研究発表会見に寄せたビデオメッセージで「今後さらにこのような研究活動を発展・継続する」と語った。
トレンドマイクロ ニュースリリース
http://jp.trendmicro.com/jp/about/news/pr/article/20080128025023.html
東京大学 産学連携本部
http://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/proprius21/
《ScanNetSecurity》