6月度のマルウェア状況について発表、GENOウイルスと類似した手口が多発(G DATA Software)
G DATA Software株式会社は7月2日、2009年6月度のマルウェア状況について発表した。状況としては、新種ウイルスの増加はやや減速しているものの、「ブザス」などGENOウイルスと類似した手口が多発していると報告している。
製品・サービス・業界動向
業界動向
G Dataセキュリティラボの調べによれば、6月度の新種マルウェアの発生数は83,072種。3月度がピークで113,046種だったが、その後減少傾向にあり、4月度が93,785、5月度が91,691種と推移している。しかし、それでもこのまま同じように推移すると年間で100万種以上が発生することになり、過去最多を記録する勢いであることには変わりないとのこと。
種別構成比では、トロイの木馬型が28.8%を占め引き続きトップ(前月は31.2%)。ダウンローダーが2位で23.4%(同25.6%)、前月より6ポイント程度上昇したバックドアが3位で19.9%(同13.8%)、スパイウェアが15.9%(同13.6%)で4位。ここまでは5月と順位は変わらずだったが、5位にはアドウェアに代わりワームが4.0%でランクインした。
プログラムコードの類似性に従ったウイルス群別でみた発生率トップ5では、前月5位(2.7%)だったブザスが1位(5.2%)に上昇した以外は、すべて前月と入れ替わった。トップになった「ブザス」は、改ざんされたサイトやメールの添付ファイルから感染し、脆弱性を狙ってセキュリティ設定を変えキーロガーなどを呼び込むトロイの木馬型ウイルス。クレジットカードやオンラインバンキングなどの個人情報を盗むのに用いられている。また、2〜5位にはバックドア型が3種も並んでおり、このタイプの感染にも気をつけたい。
最後に、6月にGENOウイルス(別名Conficker)と類似した手口が引き続き発生したことに注目し、サイトを改ざんし、ネット広告をクリックしたり、ページを閲覧するだけで感染するウイルスの活動が目立っていると指摘。今後も手を変え品を変えて攻撃してくる可能性があるため、くれぐれも注意するよう呼びかけている。
http://gdata.co.jp/press/archives/2009/07/post_55.htm
《ScanNetSecurity》