Langley のサイバーノーガード日記 昨今の犯罪送金事情 身代金を電子マネーで受け取りコンビニATM引出し(3)
今回は3回連載で、犯罪利便性の高いオンライン金融サービスを具体的サービス名称を挙げながら詳しく紹介し、お金の受け取りの犯罪利便性について考え、あわせて関係諸氏の注意喚起を促してきた。最終回の今回は、証券会社について考える。
特集
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●海外口座について補足 犯罪利便性の高いカジノ系電子マネー
前回紹介した極めて犯罪利便性の高いサービスであるネッテラーの分析でも書いたが、犯罪利便性の高い海外口座というのは多数存在する。
海外のそれなりの銀行の多くでは結構面倒くさい書類手続きがあるところが多い。それに比べると、証券系はネットでほとんどの手続きが終わってしまうところも少なくないのだ。
その中には、ネッテラーのように、本人確認書類をスキャンしてメール添付すればOKなところもある。非常に簡単だ。
最近では、日本語のページを設置し、日本語対応するところも増えている。有名なところでは、インタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社(Interactive Brokers)がある。「金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第187号加入協会、日本証券業協会」とWebに書いてあるところを見るとすでに日本での営業許可も取っているようである。ここは基本となる通貨を自分で選ぶことが出来る。日本円を選べば、日本の口座のように残高を円で確認することができる。やる気満々だ。
インタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社
http://www.interactivebrokers.com/jp/main.php
こうした証券系のサービスは別に取引をしなくてもいい。グローバルにお金をやりとりする口座として使うことができるのだ。普通の銀行のように、海外からの送金を受け取ったり、逆に送ったりすることがネット上で手軽に行える。
日本の銀行の場合、海外送金を行ったり、受け取ったりするのが結構めんどうだ。海外から入金があると、確認の電話をわざわざかけてくる銀行もある。電話にたまたま出られないと、出るまで入金が反映されない。この点、海外の証券サービスは、こういうことはない。
この手の海外証券系サービスは、ある一点をのぞくととても便利である。その一点とは、筆者の知る限り、カードを発行してくれないのである。世界中のATMから出金可能な、PLUSとかCirrusとかのマークの入ったあのカードである。お手持ちのクレジットカードあるいは銀行のキャッシュカードをご覧いただきたい。この二つのどちらかあるいは両方が裏面に入っているカードがあると思う。このマークがついていると、世界中都市部であれば、だいたいATMを使える。
このように、証券会社系の口座は、送金という点では、使い勝手がいいが、出金という点は利便性が低い。この点を補ってくれるのが、電子マネー系でカードを発行してくれるとこである。
オンラインカジノ系の電子マネーは世界中で使えるATMカードを発行してくれる。前回分析したネッテラーはその代表であるが、Click2Pay、PaySparkなど、それ以外にもいくつかカードを発行してくれるところがある。
Click2Payは日本語ページがあり、日本語対応もしている。
Click2Pay
http://www.click2pay.com/jp/users/how-it-works.html
PaySpark
https://www.payspark.com
●電子マネーの犯罪利便性は高い 特にカジノ系には要注意
といった感じで電子マネー、特にカジノ系は犯罪利便性が高いので、要注意である。要注意といっても、もちろん被害者の側でできることなどほとんどない。できることとしては、内部関係者のアクセスログなどをチェックして、オンラインカジノをよく利用している者をマークしておくくらいであろう。
というわけで、金融監督庁や警察などの関係諸氏に期待したい。
【執筆:Prisoner Langley】
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