SCAN DISPATCH :アクションフィギュアになったセキュリティ研究者、米セキュリティ事情 | ScanNetSecurity
2024.05.03(金)

SCAN DISPATCH :アクションフィギュアになったセキュリティ研究者、米セキュリティ事情

 SCAN DISPATCH は、アメリカのセキュリティ業界及ハッカーコミュニティから届いたニュースを、狭く絞り込み、深く掘り下げて掲載します。

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 「セキュリティ・ギークの友達に送るクリスマスプレゼントはいかに」、と悩んでいるあなたに、今、アメリカのオタクに大受けしているプレゼントを紹介したい。ブルース・シュナイアーのアクション・フィギュアだ。

 ブルース・シュナイアーは、アメリカやヨーロッパでコンピュータ・セキュリティを仕事にしている人は必ず知っている有名な暗号学者で、著者多数、BT社のチーフ・セキュリティー・オフィサー。英国で出版されているグローバル経済誌「エコノミスト」誌から「セキュリティ・グル」というあだ名をもらっているから筋金入りだ。彼の著書には教育機関で教科書としても採用されている「Applied Cryptography」他があり、世界中の新聞からコメントを求められる、ギーク中のギークだ。

 そのギーク中のギークのアクション・フィギュアというミスマッチは大受け。ブルースの住む地元ミネソタ州の「ミネソタ・インデペンデント」紙や「コンピュータ・ウィークリー」紙を初め、英国、デンマークなど世界中の新聞・雑誌に次々と取り上げられている。

 アクション・フィギュアを発売したのは、米オレゴン州に本社がある Featuro 社の ThatsMyFace.com だ。ThatsMyFace.com は、ケンブリッジ大学で博士号を取得した John Keaton 氏によって創立されており、顔面認識、2Dの顔を3Dに移行する特許取得中の技術をベースに、カスタムオーダーの人形や3Dのポートレート、人形を販売している。現在、ベネズエラ大統領ヒューゴ・チャベスの他、知る人ぞ知るセレブ8人ほどを「セレブ・アクション・フィギュア」として89ドルから129ドルで販売。John Keaton 氏は筆者とのメールインタビューにて、「クリプト・マンのブルースのアクション・フィギュアを作ろうと思ったのは、彼は、怪獣やらミュータントから世界を救うことはできなくても、ウイルス、プラバイバシー侵害、馬鹿げたアンチテロリズム規制などから世界を救う、デジタル・セキュリティの自由の戦士だからだ」と語っている。

 それにしても、コンピュータ・セキュリティ業界でしか知られていない、オタクなギークがセレブというはなぜ?という私の質問には、「ブルースは、例えば「PC World誌」の「Webの重要人50人」や、TechCult の「Top 100のWebセレブ」などに選ばれている。もちろん、アメリカン・アイドル級のセレブというのとは違うけれど、インターネットがメインストリームになるにつれて、そのステータス、インパクト、人気度が急上昇した新しいタイプのセレブだと考えるから」とKeaton氏は答えてくれており、ユーモアのセンスが伺えるだろう。

 アクション・フィギュアは高さ30センチで、写真は「普通のブルース」の顔と「スマート・ブルース」の体の組み合わせ。その他、スタートレックのボーグ風のサイボーグの顔と、カジュアルな普段着バージョンとお好きな組み合わせが可能。価格は現在10ドルの割引で85ドル。

 もちろんブルース本人も自らのブログで「一月ほど前にThatsMyFace.comからアクション・フィギュアを作りたいと連絡をもらっていて、「売り上げの半分はEPICとEFFに寄付できればいい」と思ったけれど、ほとんどカスタム・オーダーの製品だから利益はあまり無い製品で無理。ThatsMyFace.comのほうでは値段を下げる努力をしているけれど、100ドルじゃちょっとね。40ドルぐらいだったら企業のIT人員向けの面白いギフトとして注文があるかもしれない」と紹介したところ、続々と反響が寄せられた。

 やはりそのほとんどが「100ドルは高い」というものだったが、コメント欄はあっという間に「製品企画会議」になっているのが現状だ…

【執筆:米国 笠原利香】

【関連リンク】
ThatsMyFaceオーダーページ
http://www.thatsmyface.com/index.php?page=shop.product_details&flypage=flypage.ilvm_grey.tpl&product_id=44&category_id
=10&option=com_virtuemart&Itemid=33&vmcchk=1&Itemid=33

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《ScanNetSecurity》

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