Internet Week 2010 セキュリティセッション紹介　第6回「インターネットルーティングセキュリティ〜入門と実践、最新動向を学ぶ」

11月24日から26日にかけて、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター（JPNIC）主催の「Internet Week 2010」が、秋葉原の「富士ソフトアキバプラザ」で開催される。

今回で14年目となる Internet Week は、年に一度インターネットに関わる技術の研究・開発や、構築・運用・サービスの関係者が一堂に会し、ここ1年間の最新動向を把握する非商用イベントである。

本稿では、Internet Week 2010の合計25のセッションのうち、情報セキュリティに関する7セッションに絞って、各セッションのコーディネーターに、なぜそのセッションが開催されるのか意義や背景を聞く。

第6回となる今回は、開催初日、11月24日の午前に行われるプログラム「点検！インターネットルーティングセキュリティ〜入門と実践、最新動向を学ぶ〜」について、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンターの岡田雅之氏に取材した。

Internet Week 2010
https://internetweek.jp/

─このプログラムを設けられた背景や目的は何でしょうか？

2010年のインターネットルーティングを振り返ると、1.0.0.0/8 が抱える問題の認識と解決に向けた試みの一方で、4月に発生したアジア地域の ISP による経路ハイジャック事故など、引き続き複数の問題が発生し、解決に向けコミュニティ全体での取り組みが行われました。

そこで去年までは、このような状況を参加者と共有することを主目的として内容を構成していましたが、今年はより積極的かつ具体的な内容として「何ができるか」「何をしておくべきか」などを参加者へ持ち帰っていただくことを主眼に、このプログラムを用意しました。

因みに、1.2.3.4 や 1.1.1.1 などの多くの人が欲しがるアドレスは、当分ユーザへの分配は行われないことになりました。

─プログラムの内容はどのようなものでしょうか？

いきなりルーティングの奥義に触れていただくには少しウォーミングアップも必要という講師の思いもあり、最初にルーティングのわかりやすいチュートリアルとして基本のおさらいの時間を設けました。

また、日本国内では初の試みとなる、IRR (Internet Routing Registry) のチュートリアルを本プログラムで実施します。IRR はルーティングや AS オペレータにとって身近でありつつも、登録すべき IRR が何で、またそれをどのように登録すべきか、誰が参照しているのかなど、消化不良の情報が多いと言われてきました。このような、もやもやした IRR に対する気分を、爽快に一新できるようなチュートリアルを、講師陣がプログラム委員と激論を交わした結果を踏まえて、皆様にお届けします。

─プログラムの対象者はどのような方ですか？

AS のネットワーク管理をされていてルーティングにまつわる国内外の動向や運用方法をきちんと理解しておきたい方や、ISP でルーティングセキュリティ業務に関わっていて 2010年の国際動向や今後の方向性を知りたい方にご参加いただきたいと考えています。

─最後に、読者にメッセージをお願いします。

国内・国際ルーティングの動向や RPKI (Resource Public KeyInfrastructure) の普及・啓発の現場から、講師陣のインターネットルーティングについての熟練の技をお届けします。ご期待ください。

●アジェンダ

「S1 点検！インターネットルーティングセキュリティ　〜入門と実践、最新動向を学ぶ〜」

開催日時:2010年11月24日(水) 9:15〜11:45
会場:富士ソフトアキバプラザ
料金:事前料金 5,000／当日料金 7,000
URL:https://internetweek.jp/program/s1/

9:15〜9:50 1) ルーティングセキュリティチュートリアル
松崎吉伸(株式会社インターネットイニシアティブ)
木村泰司(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)

9:50〜10:40 2) 実践！ルーティング − 困ったときのために
松崎吉伸(株式会社インターネットイニシアティブ)
中野達也(KDDI/Telecom-ISAC Japan)

10:50〜11:35 3) 2010年のルーティング、国内・国際動向
吉田友哉(NTTコミュニケーションズ株式会社)
木村泰司(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)
岡田雅之(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)

※特典:このセッションにお申込いただいた方でご希望の方全員に「Scan Tech Report(スキャンテックレポート)」の購読(有料：個人年間9,840円)を無料でプレゼントします。

※時間割、内容、講演者等につきましては、予告なく変更になる場合があります。