工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン4 「超可能犯罪」 超可能犯罪 第11回「動機」 | ScanNetSecurity
2025.10.04(土)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン4 「超可能犯罪」 超可能犯罪 第11回「動機」

「ひとりずつの情報をどっかに売っていたのかもしれません。ネットで電話番号や職場、住所を調べる怪しいサービスがあるじゃないですか。ああいうのの隠れた協力者になっていて、頼まれると社員データを検索して、ヒットしたらその人の情報を売るんですよ」

特集 フィクション
>>第 1 回から読む

「不審なアクセスって全件ダウンロードするとかですよね。ひとりずつの情報をどっかに売っていたのかもしれません。ネットで電話番号や職場、住所を調べる怪しいサービスがあるじゃないですか。ああいうのの隠れた協力者になっていて、頼まれると社員データを検索して、ヒットしたらその人の情報を売るんですよ。これだと、一度に全員のデータをダウンロードするわけじゃないから、目立たないでしょう。というか普通の使い方ですよね」

「ああ、まあそうだな。で?」

「だから、その怪しいアルバイトがばれそうになったんです。サービス業者が摘発されたとかで。まるごと漏洩させちゃえば、逆に犯人を特定できないだろうと考えたのかもしれないです」

「でも、漏洩したのは、過去に依頼を受けたよりも後だから、怪しいサービス業者の過去の受注データを見れば一発で違うってわかるだろ」

「あれ? そういえばそうですね」

沢近は、腕組みして首をひねった。こいつの発想はとっぴなので、参考になることもあるが、今みたいに見当外れになることもある。

「なにかもっと大きな事件を隠すためのものだとか」

《一田和樹》

関連記事

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 業務目的外でパソコンを利用中に詐欺サイトに接続 ~ 委託事業者パソナの従業員

    業務目的外でパソコンを利用中に詐欺サイトに接続 ~ 委託事業者パソナの従業員

  2. ガートナー、2025 年版の日本におけるセキュリティのハイプ・サイクル発表

    ガートナー、2025 年版の日本におけるセキュリティのハイプ・サイクル発表

  3. 諭旨解雇処分 ~ 電気通信大学 准教授 共同研究先の企業に秘密を漏えい

    諭旨解雇処分 ~ 電気通信大学 准教授 共同研究先の企業に秘密を漏えい

  4. Microsoft が土壇場で譲歩 欧州 Windows 10 ユーザーだけに猶予措置

    Microsoft が土壇場で譲歩 欧州 Windows 10 ユーザーだけに猶予措置

  5. パソナの派遣社員が独立行政法人に関する情報を不正に持ち出し、削除の要請にも応じず

    パソナの派遣社員が独立行政法人に関する情報を不正に持ち出し、削除の要請にも応じず

ランキングをもっと見る
PageTop