アジア・欧州の政府関連機関を狙う標的型攻撃(トレンドマイクロ) | ScanNetSecurity
2024.05.04(土)

アジア・欧州の政府関連機関を狙う標的型攻撃(トレンドマイクロ)

トレンドマイクロは、複数の国の政府関連機関を狙う標的型攻撃を6月初旬に確認したと同社ブログで発表した。

脆弱性と脅威 脅威動向
中国国防部から送信されたように偽装したメールの一例
中国国防部から送信されたように偽装したメールの一例 全 1 枚 拡大写真
トレンドマイクロ株式会社は7月17日、複数の国の政府関連機関を狙う標的型攻撃を6月初旬に確認したと同社ブログで発表した。この標的型攻撃において確認されたメールは中華人民共和国国防部を装っていたが、問題のメールはGmailのアカウントから送信されており、送信者の名前は中国名ではなかった。問題のメールに添付されていた文書ファイル(「TROJ_DROPPER.IK」として検出)は、Microsoft Officeに存在する脆弱性「CVE-2012-0158」を利用するもので、バックドア型不正プログラム(「BKDR_HGDER.IK」として検出)が作成され、Webサイトや Eメールアカウントのログイン情報 をInternet Explorer(IE)やMicrosoft Outlookから窃取する。窃取された情報は、香港に位置する2つのIPアドレスにアップロードされる。

今回の攻撃は、主にヨーロッパおよびアジアの政府関連機関の職員を狙っていた。問題のメールはヨーロッパ諸国だけでも16人の政府機関職員に送信されていた。また、メールおよび添付ファイルの議題は、これら標的者の関心を呼ぶものだったと考えられる。さらに、これまでの大企業や組織を狙う標的型攻撃と同様に、IEやOutlookのようなアプリケーションの保持する情報が窃取されている点も注目すべきとしている。一方で、今回の攻撃において、中国の報道機関もまた標的となっていた。また、問題のバックドア型不正プログラムは、興味深いことにアジア圏の中でも中国および台湾で頻繁に感染が確認されている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  2. クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

    クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

  3. 信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

    信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

  4. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  5. 山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

    山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

  6. 「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

    「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

  7. サイバーセキュリティ版「天国と地獄」~ サプライヤーへサイバー攻撃、身代金支払いを本体へ請求

    サイバーセキュリティ版「天国と地獄」~ サプライヤーへサイバー攻撃、身代金支払いを本体へ請求

  8. 「GMOサイバー攻撃 ネットde診断」Palo Alto、Cisco、SonicWall、OpenVPN に対応

    「GMOサイバー攻撃 ネットde診断」Palo Alto、Cisco、SonicWall、OpenVPN に対応

  9. 「味市春香なごみオンラインショップ」に不正アクセス、16,407件のカード情報が漏えい

    「味市春香なごみオンラインショップ」に不正アクセス、16,407件のカード情報が漏えい

  10. モリサワ他と損害賠償金4,500万円支払で調停成立~フォント不正コピーの印刷会社

    モリサワ他と損害賠償金4,500万円支払で調停成立~フォント不正コピーの印刷会社

ランキングをもっと見る