Microsoft Internet Explorer の CInput オブジェクトの取り扱いに起因する解放済みメモリ使用の脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.05.03(金)

Microsoft Internet Explorer の CInput オブジェクトの取り扱いに起因する解放済みメモリ使用の脆弱性(Scan Tech Report)

Microsoft Internet Explorer (IE) に解放済みメモリを使用してしまう脆弱性が報告されています。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
1.概要
Microsoft Internet Explorer (IE) に解放済みメモリを使用してしまう脆弱性が報告されています。
ユーザが悪質な Web ページを閲覧した場合に、リモートの第三者によってシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。
この脆弱性は、2014 年 6 月に Microsoft より提供された月例パッチ(MS14-035) で解消した問題の内の 1 つになります。
脆弱性を悪用された場合の影響度が高く、今後、当該脆弱性を悪用する攻撃ツールキットなどが出現する可能性も考えられるため、パッチ未適用の IE を利用するユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
9.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2014-0282&vector=%28AV:N/AC:M/Au:N/C:C/I:C/A:C%29


3.影響を受けるソフトウェア
Microsoft Internet Explorer 6
Microsoft Internet Explorer 7
Microsoft Internet Explorer 8
Microsoft Internet Explorer 9
Microsoft Internet Explorer 10
Microsoft Internet Explorer 11

※1 サポートされる全ての Windows OS 上の Internet Explorer


4.解説
Microsoft Internet Explorer (IE) の Microsoft HTML Viewer (mshtml.dll)は、HTML, Cascading Style Sheets (CSS), Document Object Model (DOM) などをパースおよびレンダリングする機能を提供するライブラリです。

IE の mshtml.dll には、reset イベント※2 を扱う際に CFormElement::DoReset において、CInput オブジェクトの参照情報を適切に削除せず解放してしまう不備があります。
このため、フォームを利用して当該オブジェクトを操作する不正な Web ページをレンダリングした場合、解放済みの CInput オブジェクトが存在したメモリ領域を参照してしまう脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は、IE を実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。

※2 http://msdn.microsoft.com/en-us/library/ie/ms536721%28v=vs.85%29.aspx


5.対策
以下の Web サイトを参考に、それぞれの Windows OS の IE に対応するパッチ (MS14-035) を入手し適用することで、この脆弱性を解消することが可能です。
※Windows Update/Microsoft Update を行うことでも同様に脆弱性を解消することが可能です。

MS14-035:
http://technet.microsoft.com/security/bulletin/MS14-035

あるいは、下記のいずれかの回避策を実施することで、この脆弱性による影響を緩和することが可能です。

・IE のインターネットおよびローカルイントラネットゾーンにおける ActiveX コントロールまたはアクティブスクリプトの実行を変更する
・Enhanced Mitigation Experience Toolkit (EMET) を使用する ※3

※3 http://technet.microsoft.com/ja-jp/security/jj653751.aspx


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html

《株式会社ラック デジタルペンテスト部》

関連記事

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  2. クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

    クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

  3. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  4. 信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

    信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

  5. 2023年「業務外利用・不正持出」前年 2 倍以上増加 ~ デジタルアーツ調査

    2023年「業務外利用・不正持出」前年 2 倍以上増加 ~ デジタルアーツ調査

  6. クラウド型データ管理システム「ハイクワークス」のユーザー情報に第三者がアクセス可能な状態に

    クラウド型データ管理システム「ハイクワークス」のユーザー情報に第三者がアクセス可能な状態に

  7. 「味市春香なごみオンラインショップ」に不正アクセス、16,407件のカード情報が漏えい

    「味市春香なごみオンラインショップ」に不正アクセス、16,407件のカード情報が漏えい

  8. SECON 2024 レポート:最先端のサイバーフィジカルシステムを体感

    SECON 2024 レポート:最先端のサイバーフィジカルシステムを体感

  9. 「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

    「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

  10. トレーニング 6 年ぶり復活 11/9 ~ 11/15「CODE BLUE 2024」開催

    トレーニング 6 年ぶり復活 11/9 ~ 11/15「CODE BLUE 2024」開催

ランキングをもっと見る