工藤伸治のセキュリティ事件簿シーズン6 誤算 第4回「不在証明」 | ScanNetSecurity
2026.04.01(水)

工藤伸治のセキュリティ事件簿シーズン6 誤算 第4回「不在証明」

ほとんどの会社は、サイバーセキュリティのトラブルを表沙汰にしない。公的認証や認可が取り消されるとか、上場準備に支障が出るとか、取引先の信用を失うとか、そういう理由でだ。

特集 フィクション
楽しい予感がした。いきがったクラッカー野郎の匂いがする。
楽しい予感がした。いきがったクラッカー野郎の匂いがする。 全 1 枚 拡大写真
>>第 1 回から読む

七月八日 午後 工藤伸治

その日、オレはエージェントから急な呼び出しを受けた。エージェントというとカッコいいが、広告代理店の営業マンだ。こいつは、広告のクライアントからサイバーセキュリティがらみの相談を持ちかけられた時に、オレに仕事を振ってくる。

広告とサイバーセキュリティ、というと一見関係なさそうだが、ネットを使ったプロモーション、キャンペーンなどでトラブルが起きることはかなり多い。ようするに、こいつのクライアント企業に能なしのシステム部長が多いので、オレにいい仕事が回ってくるという仕掛けだ。

「工藤さん、急ぎですよ。急ぎの仕事」

楽しそうな沢田の声が携帯電話から流れてきた。急ぎの仕事というのは、しんどいこともあるが、その分金払いがいい。相手は騒ぎを収めるのに必死だから、普段なら受け入れてもらえないような高い単価の見積もりでも払ってくれる。

オレの名前は、工藤伸治。サイバーセキュリティコンサルタントという商売を営んでいる。ネットやコンピュータに悪さをする連中を始末する仕事だ。知的な仕事に思えるかもしれないが、実際にやっているのはトラブル処理の泥臭い地味な仕事だ。

《一田 和樹》

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 元従業員、クラウド → メール → 退職後DL の三段階で情報持ち出し

    元従業員、クラウド → メール → 退職後DL の三段階で情報持ち出し

  2. 業務提携していた文教堂も被害に ~ 日販グループ 元従業員による情報漏えい

    業務提携していた文教堂も被害に ~ 日販グループ 元従業員による情報漏えい

  3. 20の資格取得状況 ~ JNSA「セキュリティ人材 アンケート調査 速報」公表

    20の資格取得状況 ~ JNSA「セキュリティ人材 アンケート調査 速報」公表

  4. サイバー犯罪者の大半は「いい歳したおっさん」だった

    サイバー犯罪者の大半は「いい歳したおっさん」だった

  5. ネクサスエナジーへのランサムウェア攻撃、ガソリンスタンド顧客の個人情報漏えいの恐れを否定できず

    ネクサスエナジーへのランサムウェア攻撃、ガソリンスタンド顧客の個人情報漏えいの恐れを否定できず

ランキングをもっと見る
PageTop