メモリに潜んで痕跡を消す「見えない」標的型攻撃を確認(カスペルスキー) | ScanNetSecurity
2024.05.03(金)

メモリに潜んで痕跡を消す「見えない」標的型攻撃を確認(カスペルスキー)

カスペルスキーは、一連の「見えない」標的型攻撃を発見したと発表した。

脆弱性と脅威 脅威動向
メモリに潜み痕跡を消す「見えない」攻撃の手順
メモリに潜み痕跡を消す「見えない」攻撃の手順 全 1 枚 拡大写真
株式会社カスペルスキーは2月14日、一連の「見えない」標的型攻撃を発見したと発表した。同社Kaspersky Labのグローバル調査分析チーム(GReAT)のセキュリティリサーチャーが発見した。この攻撃は、汎用的な侵入テストツールや管理ツール、Windowsでタスクの自動化に使われるPowerShellフレームワークなど、正規のソフトウェアのみを用いる。

今回、独立国家共同体(CIS)の複数の銀行から、本来存在しないはずの侵入テスト用のMeterpreterモジュールをサーバのメモリ内で発見したという連絡をリサーチャーが受けたことが端緒だという。この攻撃の最終目的は、金融プロセスへのアクセスだと推測している。その後の調査の結果、この攻撃は40カ国、140以上のさまざまな組織のネットワークが攻撃を受けており、標的となった組織は米国、フランス、エクアドル、ケニア、英国、ロシアに集中していた。

こうしたマルウェアは、コンピュータのハードディスクではなくメモリの中に潜むことが特徴で、これによりホワイトリストによる検知を回避し、フォレンジックの手がかりとなる痕跡やマルウェアの検体をほとんど残さない。また、コンピュータの再起動時には痕跡が消去される。このような攻撃を検知するには、ランダムアクセスメモリ、ネットワーク、レジストリでのみ可能であるとしている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  2. クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

    クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

  3. 信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

    信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

  4. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  5. 「味市春香なごみオンラインショップ」に不正アクセス、16,407件のカード情報が漏えい

    「味市春香なごみオンラインショップ」に不正アクセス、16,407件のカード情報が漏えい

  6. 2023年「業務外利用・不正持出」前年 2 倍以上増加 ~ デジタルアーツ調査

    2023年「業務外利用・不正持出」前年 2 倍以上増加 ~ デジタルアーツ調査

  7. SECON 2024 レポート:最先端のサイバーフィジカルシステムを体感

    SECON 2024 レポート:最先端のサイバーフィジカルシステムを体感

  8. 「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

    「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

  9. 山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

    山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

  10. クラウド型データ管理システム「ハイクワークス」のユーザー情報に第三者がアクセス可能な状態に

    クラウド型データ管理システム「ハイクワークス」のユーザー情報に第三者がアクセス可能な状態に

ランキングをもっと見る