Netflix の OSS マイクロサービス群を守る脆弱性管理自動化ツール「astrid」とは? | ScanNetSecurity
2025.11.18(火)

Netflix の OSS マイクロサービス群を守る脆弱性管理自動化ツール「astrid」とは?

昨夏 Black Hat USA で、Netflix のシニア アプリケーション セキュリティ エンジニアが「 astrid 」という脆弱性管理を自動化するツールの発表を行った。

研修・セミナー・カンファレンス セミナー・イベント
ネットフリックス アラジン・アルムベイド氏
ネットフリックス アラジン・アルムベイド氏 全 11 枚 拡大写真
 巨大プラットフォーマーのセキュリティ対策の実体は、なかなか表には出てこない。当然だ。対外的な取り組みやコミュニティ活動では、アップル、グーグル、マイクロソフトなどはイニシアティブを発揮しているが、彼らが内製している開発ツール、システムは、一部の高度なセキュリティカンファレンスで発表があるくらいだ。

 その高度なセキュリティカンファレンスのひとつ、昨夏開催された Black Hat USA で、ネットフリックスのシニアアプリケーションセキュリティエンジニア アラジン・アルムベイド氏が、「 astrid 」という脆弱性管理を自動化するツールの発表を行った。ここでいう脆弱性管理は、同社のシステムの多くを構成するオープンソースソフトウェア( OSS )のライブラリやパッケージの依存関係を解析し、最適なパッチを当てる支援をすることだ。

 ネットフリックスのシステムは AWS 上に構築されている。1 億 5 千万人以上といわれている会員からのアクセスと動画ストリーミングを処理しているのは、クラウド( Amazon Machine Image )上のマイクロサービス群だ。これらは Linux をベースとした Java、Python プログラムによって開発されている。

 巨大サービスプラットフォーマーが、AWS、Azure、GCP と OSS を利用するスタイルは別に珍しいことではないが、 OSS をベースとしたシステムやサービスにとってセキュリティ上の懸念は、ライブラリの依存関係に起因するサプライチェーン攻撃やセキュリティホールの混入だ。この 2 つにはそれぞれ別の対策アプローチが必要になる。本稿ではアルムベイド氏の講演から、そのアプローチのポイントをお伝えしたい。

《中尾 真二( Shinji Nakao )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. テインにランサムウェア攻撃、グループ各社にも影響

    テインにランサムウェア攻撃、グループ各社にも影響

  2. Blue Yonder社のシフト作成ツールへの不正アクセスで西友従業員の個人情報が漏えい

    Blue Yonder社のシフト作成ツールへの不正アクセスで西友従業員の個人情報が漏えい

  3. 攻撃者側のウェブサイトに社名と会社ロゴが掲載 ~ エネサンスホールディングスへのランサムウェア攻撃

    攻撃者側のウェブサイトに社名と会社ロゴが掲載 ~ エネサンスホールディングスへのランサムウェア攻撃

  4. 東証上場企業 クレジットカード情報流出 88 日後公表

    東証上場企業 クレジットカード情報流出 88 日後公表

  5. 公開サーバのファイルと同じ ~ サイバー攻撃グループ名乗る人物が「IIJ からソースコードを盗み出した」とファイルを添付し投稿

    公開サーバのファイルと同じ ~ サイバー攻撃グループ名乗る人物が「IIJ からソースコードを盗み出した」とファイルを添付し投稿

ランキングをもっと見る
PageTop