セコムトラストシステムズとセイコーソリューションズが脱ハンコを進める共通プラットフォーム開発
新型コロナウイルス感染予防を目的とした在宅勤務の普及によって、ビジネス上のさまざまな業務や手続のデジタル化が進んでいる。2020年11月の河野太郎行政改革担当大臣による行政手続きにおける認め印を全廃するという発表はその動きに拍車をかけた。
製品・サービス・業界動向
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業務のデジタル化の核となるのは、間違いなくその法人あるいは個人が、その書類を作成あるいは承認したか等を証明する「電子署名技術」と、何年何月何日の何時何分にそれが行われ、以降改ざんされていないことを証明する「タイムスタンプ」のふたつの技術だ。
国際的にシェアの高いDocuSignや日本の弁護士ドットコムが提供するデジタル契約サービスにも、すべてこの電子署名とタイムスタンプのふたつの技術が用いられている。これまで電子署名とタイムスタンプ技術は、それぞれのサービスを提供する各社が個別に選定と調達と実装を行ってきたが、この技術基盤を共通化する動きが発表された。
セコムトラストシステムズ株式会社とセイコーソリューションズ株式会社は5月18日、複数のサービス事業者を横断した電子契約の締結等を可能とするデータ連携基盤(トラストサービスのプラットフォーム)を共同開発し、サービス提供を目指すための協業を行うことに合意したと発表した。
本協業では、セコムトラストシステムズが提供する電子署名、セイコーソリューションズが提供するタイムスタンプをコアとし、両社が内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」で研究開発した統一基準によるトラスト共通APIを用いたデータ連携基盤となるトラストサービスのプラットフォームを共同開発する。
脱ハンコやリモートワーク、非対面手続きを進めるための電子署名、タイムスタンプ、eシールといったサービスは、サービス事業者毎にそれぞれインターフェース仕様やユーザー認証仕様が異なり、電子契約の利用者同士で同じアプリケーションを導入する必要があるといった課題も普及を妨げてきた要因だが、本プラットフォームのトラスト共通APIを介すことで、認証局、タイムスタンプ局、電子署名アプリケーションが相互につながり、今後、複数のサービス事業者を横断した電子契約の締結や電子インボイスの発行が可能となる。
セコムトラストシステムズは、トラストサービスのプラットフォーム利用促進を進めており、株式会社マネーフォワードの「マネーフォワード クラウド契約」における電子署名基盤としての採用、セコム株式会社が法人顧客との間で契約を締結する際のサービス基盤としての活用、東京都をはじめとする自治体向け電子契約の実証実験での活用など、官民両方面から利用拡大に向けたアプローチを行ってきた。
本誌の取材に対し、セコムトラストシステムズの担当者は「当該プラットフォームは国内にとどまらず、EUの電子認証基盤との相互連携もふまえた開発が進められており、国際的相互連携の実証実験を予定している」と語った。
《ScanNetSecurity》
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