MSDTの脆弱性(CVE-2022-30190、Follina)を悪用したWordファイルについて検証 | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

MSDTの脆弱性(CVE-2022-30190、Follina)を悪用したWordファイルについて検証

 日本電気株式会社(NEC)は6月20日、2022年5月27日に発見されたMSDTの脆弱性(CVE-2022-30190、別名Follina)を悪用したWordファイルに対し行った検証結果をブログで発表した。

脆弱性と脅威 セキュリティホール・脆弱性

 日本電気株式会社(NEC)は6月20日、2022年5月27日に発見されたMSDTの脆弱性(CVE-2022-30190、別名Follina)を悪用したWordファイルに対し行った検証結果をブログで発表した。

 CVE-2022-30190は、Microsoftサポート診断ツール(MSDT: Microsoft Support Diagnostic Tool)に起因する脆弱性で、任意コードの実行が可能となる。2022年5月27日に、@nao_secが本脆弱性を悪用したWordファイルを発見し、後に@GossiTheDogが同脆弱性にFollinaという名前を付けている。

 本脆弱性には、下記のような特徴があり、比較的簡単に悪用可能な上に、ファイルを開いたり、選択したりするだけで任意コードが実行されてしまうため、非常に危険な脆弱性であると指摘している。

・VBAマクロを使用せずに悪用可能なため、マクロの無効化では防止できない
・Microsoft Wordだけでなく、RTF(リッチテキスト)形式でも悪用できる
・RTF形式の場合、エクスプローラーのプレビューウィンドウに表示されるだけで任意コードが実行される
・PowerShellコマンドのInvoke-WebRequest(wget)でも悪用できる

 NEC セキュリティ技術センターのリスクハンティングチームでは、本脆弱性を再現するPoCを作成し検証したところ、Wordファイルを開いただけでHTTP通信が発生し、Microsoftサポート診断ツール(MSDT)および電卓が起動された。

 また、エクスプローラーのプレビューウィンドウを有効にした上で、RTFファイルを開かずにクリックして選択しただけで、Microsoftサポート診断ツール(MSDT)および電卓が起動された。Word以外でも、PowerShellのコマンドでWebサーバにアクセスしただけで、Microsoftサポート診断ツール(MSDT)、および電卓が起動された。

 同ブログでは、本脆弱性の緩和策として、MSDT関連のレジストリキーの削除、グループポリシーでトラブルシューティングウィザードへのユーザアクセスを禁止するの2つを挙げている。

《ScanNetSecurity》

特集

関連記事

PageTop

アクセスランキング

  1. レッドチーム演習大成功 丸五か月間誰も気づけず

    レッドチーム演習大成功 丸五か月間誰も気づけず

  2. ベルシステム24 のベトナム子会社に不正アクセス、コールセンター受託業務での顧客情報漏えいの可能性

    ベルシステム24 のベトナム子会社に不正アクセス、コールセンター受託業務での顧客情報漏えいの可能性

  3. 東京海上日動火災保険 提携先の税理士法人にランサムウェア攻撃

    東京海上日動火災保険 提携先の税理士法人にランサムウェア攻撃

  4. 富士通の複数の業務パソコンに高度な手法で攻撃を行うマルウェア、複製指示のコマンドを実行し拡大

    富士通の複数の業務パソコンに高度な手法で攻撃を行うマルウェア、複製指示のコマンドを実行し拡大

  5. ランサムウェア集団が謝罪

    ランサムウェア集団が謝罪

ランキングをもっと見る
PageTop