独立行政法人情報処理推進機構(IPA)および一般社団法人JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は10月1日、OpenSSLにおける複数の脆弱性について「Japan Vulnerability Notes(JVN)」で発表した。影響を受けるシステムは以下の通り。
・CVE-2025-9230
OpenSSL 3.5.4より前の3.5系バージョン
OpenSSL 3.4.3より前の3.4系バージョン
OpenSSL 3.3.5より前の3.3系バージョン
OpenSSL 3.2.6より前の3.2系バージョン
OpenSSL 3.0.18より前の3.0系バージョン
OpenSSL 1.1.1zdより前の1.1.1系バージョン
OpenSSL 1.0.2zmより前の1.0.2系バージョン
・CVE-2025-9231
OpenSSL 3.5.4より前の3.5系バージョン
OpenSSL 3.4.3より前の3.4系バージョン
OpenSSL 3.3.5より前の3.3系バージョン
OpenSSL 3.2.6より前の3.2系バージョン
・CVE-2025-9232
OpenSSL 3.5.4より前の3.5系バージョン
OpenSSL 3.4.3より前の3.4系バージョン
OpenSSL 3.3.5より前の3.3系バージョン
OpenSSL 3.2.6より前の3.2系バージョン
OpenSSL 3.0.18より前の3.0系バージョン
※なお、バージョン3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3.0のFIPSモジュールはこれらの脆弱性の影響を受けない。
OpenSSLには、下記の影響を受ける可能性がある複数の脆弱性が存在する。
深刻度 中(Severity:Moderate)
・RFC 3211 KEK Unwrapにおける境界外の読み取りと書き込み(CVE-2025-9230)
→パスワードベースの暗号を使用して暗号化されたCMSメッセージを復号する際に、境界外の読み取りおよび書き込みが発生する可能性があり、システムがサービス運用妨害(DoS)状態にされたり、任意のコードを実行されたりする可能性がある。
・64bit ARMプラットフォーム環境において、SM2アルゴリズムのタイミング攻撃が可能となる問題 (CVE-2025-9231)
→64ビットARMプラットフォーム環境において、SM2署名計算に問題があり、タイミング攻撃により秘密鍵を窃取される可能性がある。
深刻度 低(Severity:Low)
・HTTPクライアントのno_proxy処理における境界外読み取り(CVE-2025-9232)
→OpenSSL HTTPクライアントAPI関数を使用するアプリケーションでno_proxy環境変数が設定されている場合、HTTP URLのホスト部分にIPv6アドレスを指定すると境界外読み取りが発生する可能性があり、システムがサービス運用妨害(DoS)状態にされる可能性がある。
JVNでは、開発者が提供する情報をもとに最新版へアップデートするよう呼びかけている。なお開発者は、本脆弱性への対策版として下記のバージョンをリリースしている。
OpenSSL 3.5.4
OpenSSL 3.4.3
OpenSSL 3.3.5
OpenSSL 3.2.6
OpenSSL 3.0.18
OpenSSL 1.1.1zd(プレミアムサポートカスタマのみ)
OpenSSL 1.0.2zm(プレミアムサポートカスタマのみ)