ScanNetSecurity はおかげさまで 10 月 8 日 (水) に創刊 27 周年を迎え、毎年恒例の「サブスクサービス Scan PREMIUM」の創刊キャンペーンを 12 月 15 日 (月) 23 時 59 分まで行っております(早割は 11 月 30 日 (日) 23 時 59 分まで)。
11月17日(月)に、講読期限が2025年11月30日(日)の会員の方が早割期間中に更新できない問題について販売ページの FAQ を更新しましたが、その際にひょっとするといただくのではと思っていた問い合わせを果たして複数件いただいたのでここに記しておきます。まあそれだけ今年の創刊キャンペーンが破格の条件であることをご理解いただいたということかもしれません。
お問い合わせの趣旨とは下記の通りです。
拝啓 ScanNetSecurity編集部様
小生は過去の創刊キャンペーンで Scan PREMIUM の複数年契約をしており、現在 (2025+X) 年 11 月 30 日まで契約期間がある状況です。販売ページには「あくまで 27 周年キャンペーンでのテスト的試みでもあり、来年の 28 周年キャンペーンで同じ価格の仕切りでキャンペーンを行うかは未定です」と記載があり、あわせて FAQ には「2025年11月30日が契約期限の Scan PREMIUM 個人会員だった方から12月1日(月)以降に御連絡いただけましたら早割価格と同様の割引額のクーポンを一名様用に特別に今回のみ作成します。作成しよう鎌倉幕府」とも記載がありました。今回メールをしたためさせていただいたのは、クーポンの発行対象者は「2025年11月30日が契約期限の Scan PREMIUM 個人会員」だけではなく、「(2025+X)年11月30日が契約期限の Scan PREMIUM 個人会員」も対象に含まれますか。
このメールを読んでほんの一瞬だけ脳裏に、同僚が逮捕されたときにメディアに取り囲まれた石野卓球さんを気取って「2025って書いてあるだろバーカ」と、洒脱かつユーモラスな切れ味のいい返事をしようかとほんの一瞬だけよぎったのですがそれを振り切って下記を即答しました。
小生様
いつも大変お世話になっております。株式会社イード ScanNetSecurity編集部と申します。
複数年でご契約いただいていらっしゃるので、「2025年11月30日が契約期限の Scan PREMIUM 個人会員だった方」には合致しないですがそれをあえて喜んで曲げて、御連絡いただいたらクーポンを発行させていただきます。
ただ、来年も同様のキャンペーンをする可能性は半々以上あります。もしそうではなかった場合、きっと忘れてしまうと思いますのでこのメールを引用して X 年後の 12 月 1 日以降に御連絡ください。(引用しなくてもいいです。できればで)
Scan PREMIUM会員である小生様は ScanNetSecurityに「本誌にこの世に存在する価値がある」と信じられる証拠を与えて続けてくれる存在であり、取材や執筆活動を続ける最大かつ最も重要な理由であり続けています。ありがとうございます。
この回答をした理由は書いてあるとおりなのですが実はもうひとつ理由があって、それはクーポンに関する肯定的な文脈での問い合わせをいただいたこれが創刊以来はじめてのケースだったからです。ScanNetSecurity は有料メルマガとして創刊しており、さまざまな決済プラットフォームを使ってきたのですが、多くの決済プラットフォームには一時的な割引を行うためのクーポン発行の仕組みがあって、過去それを何度も利用してきたのですが、おどろくほどクーポンが利用されないのです。
のべでいうと少なく見積もっても 20 万件程度はクーポンを発行したのですが、これがまあ本当に、全く、全然、まるっきり、豪快なほど使ってはいただけません。記憶が確かなら今年創刊 27 周年ですが、過去クーポンを利用いただいたのは絶対に 5 名を超えないと思います。しかも 5 名の中の一人は元 RSA のマーケの水村さんであり、同氏は頭が切れるという点で記者とは真逆の資質をお持ちで数年に一回くらいですが情報交換をすることがあり、以前 RSA がマインズタワーにあった頃一度近くのデリリウムカフェでビールを飲んだこともある間柄です。ピンクの象がパッケージの度数が高く鉄の味が口に残る小瓶のビールです。おそらく残りの 4 名の方も上野さんと面識のある方とかなのではと思っています。
パリ、テキサスという映画で主人公が荒涼としたロサンゼルスを散歩していると、大声で世界に向かって狂的に警告の言辞を叫ぶ高貴な男とすれ違うシーンがありますが、あそこまで通常人間はメンタルが強くはないのでクーポンのべ発行数は 20 万件にとどまっています。クーポンを発行する対象である会員は数万人いるわけで、つまり 27 年で、たった 5 ~ 6 回くらいしかクーポンの発行をしていないということです。全く、全然、まるっきり、反応がないと傷つくことはないにせよ少なくともはじめてたらいで体を丸洗いされた子犬くらいには放心状態茫然自失にはなります。20 万人に 5 人ということは 5 万人に一人のエリート。スプラトゥーンならけっこうなランクではないでしょうか。
このようにして記者にとって ScanNetSecurity 読者はなぜクーポンを使わないのか、なぜ人間はクーポンを使って Scan PREMIUM を契約しないのかは答の出ない謎となっていました。おそらくは某イケメン俳優氏の「アパ不倫」的なものなのでは、というのが現在もっとも有力であると考えている説です。アパ不倫とはとあるイケメン俳優が不倫活動実施時に毎回必ずアパホテルを使っていたという週刊誌のゴシップ記事であり、要は一泊 25 万円の「マ〇ダリンオリエンタル不倫」とかでは決してないところがポイントであり、実にみみっちい、だがその庶民感覚必ずしも嫌いになれない、といったベクトルで、反感とある種の共感すら生んだ出来事です。
「セキュリティとは愛の行為である」とは、本誌がチャンスがあれば必ず発していくメッセージのひとつですが、アパ不倫のとりわけ重要とされた「みみっちいがその庶民感覚必ずしも嫌いになれない」の核に存在していたのはイケメン俳優氏が毎回の利用で「かなりのポイントをためていた」という事実でした。同システムが発行するポイントは次回の宿泊の値引にあてたり、あるいはフロントで現金として還元を受けることもできる気前のよいシステムとなっています。ここで告白しておくと記者は仕事柄出張等でアパホテルを利用する機会が多かった時期があって、1ヶ年間だけですがチェックインとチェックアウトの時刻がそれぞれ 1 時間早く/遅くなる上位ステータスにまで達していたことがあります。いまはランクが下がってしまいましたが出張時は必ず利用する施設のひとつです。社長も戦隊物に登場する首領のような風格でコミカルであり、すばらしい宿泊施設です。Wi-Fi も速い。
話はそれましたが要は、愛とは真逆である不倫という行動の不実性をさらに補強し地固めをするような行動、自分に不利な証拠を集めて証拠として提出するのに似た行為、すなわちポイントをためてそれによって金銭的メリットを追求するという行動を、イケメン俳優氏が自ら自発的に(馬から落馬)しかも几帳面に行っていた、ここが本ゴシップのメッセージ設計をした週刊誌編集部の「業績」あるいは「作品」と呼べる部分だと思います。これによって当該作品は現代的なフレッシュさとコメディ的なユーモラスさを獲得することができたのです。男女の感情事案を経済事案に変えてみせたのです。
セキュリティを仕事にしたり、セキュリティでキャリアを追求しようと考える人の少なくない比率が世界をいまよりも良くしたいという志や愛をその発端としている点において「クーポンを使って Scan PREMIUM 会員になれ」というのは、その尊い志と愛に対して、何か重大な毀損を与えてしまうことになるのはないか。クーポンを使うという行動は尊厳を自ら否定する行動となってしまうのではないか。これが豪快すぎるほどクーポンが使われない現時点での理由の推定です。
すみません。書いていたら少々疲れてきたのでここではしょりますが、これが「クーポンに関する肯定的な文脈での問い合わせをいただいたこれが創刊以来はじめてのケースだった」と記した背景です。「水村さん以外にクーポンを使ってくれる人いるんだ」「使いたいとおっしゃっていただける方がなんとここにいた」そんな僥倖、これが上記の回答を返信した「もうひとつの理由」です。
少し不安になってきたのですが現在の Scan PREMIUM のメイン決済プラットフォームは Stripe なのですが「 X 年後の 12 月 1 日以降に御連絡ください」と約束しても、決済プロセッサが変わっていると全く同一の条件の再現が場合によっては難しくなる可能性もあります。料金の改訂等の可能性もあるわけですし。しかしそのときはそのときで考えることにいたします。納得いただけるプランは X 年後 にも存在するはず。
創刊キャンペーンは 12 月 15 日 (月) 23 時 59 分まで行っております(早割は 11 月 30 日 (日) 23 時 59 分まで)。

